不整脈には

*放置しても良い こわくない不整脈

*必ず治療すべき こわい不整脈

があります


<とてもこわい不整脈>

心臓が止まってしまう危険があり
命にかかわるもので
すぐに不整脈を止める処置を
行わないといけません

*心室細動 心室粗動

*高度の房室ブロック

*重症の洞不全症候群

などが とてもこわい不整脈です

@頻脈性

多くは脈拍数が150から200前後になるので
血圧が下がり 脈が触れにくくなり
同時に息苦しくなって冷や汗が出ます

何もしていないのにふうっとして
急に意識がなくなり失神するタイプは 
最も危険で

この場合 
一時的に心臓が止まっているか
または極端な頻脈が起こっている
可能性があります



失神症状が出た場合は 
できるだけ早く病院を受診して
原因を調べて治療を始める必要があります

脈拍数が1分間に120以上で 
突然始まり 突然止まる
まったく不規則に打つ
のは 病的な頻脈です

頻拍が心室から出ている場合は 
特に要注意です

血液は心室から全身へ送り出されるので
ここで不整脈が続くのは 
血液が全身に回らなくなることを意味します

なかでも心筋梗塞などの心臓の病気のある人に
心室頻拍が出てきた場合は
より危険な心室細動に移行することがあるため 
要注意です

1分間に150以上の頻脈が続く場合は
不整脈をまず停止させ
その後 頻脈を予防する薬剤を
服用する必要があります




@徐脈性

脈拍数が1分間40以下で
体を動かす時に強い息切れを感じる場合は
脈が遅くなりすぎて
心不全を起こしている可能性があり

この場合は 
ペースメーカー治療が
必要になることがあります






<中等度にこわい不整脈>

不整脈そのものに
致死的な危険性はないけれど

放置しておくと 悪影響を及ぼし
将来的に寿命を短縮するかもしれないタイプです

*脳梗塞を起こす 
 心房細動 心房粗動

*心不全を起こす
 心房細動 心房粗動 
 心室頻拍 房室ブロック

*失神を起こす
 発作性上室性頻拍 洞不全症候群 
 房室ブロック

などが該当します

状況に応じて
不整脈そのものの治療を行ったり
抗凝固薬を用いた脳梗塞の予防
などを行う必要があります



<こわくない不整脈>

放置しても 生命や寿命には影響しないタイプで

*期外収縮

*症状がない洞不全症候群 房室ブロック

などが該当します

脈がたまに飛ぶ程度の人 症状のない徐脈は
心配のないことがほとんどです

運動や精神的な興奮によって脈が速くなる場合も
心配ありません



<心臓神経症>

患者さんが 激しい動悸 胸痛を自覚しても
心臓には何も異常がない場合です

ストレスなどで
生理的に生じる心拍数の増加などを
病的なものと思い込み 強い不安を感じてしまい
受診されることが少なくありません

適切な検査を行い異常がなければ
もちろん治療をする必要はありません

どうしても症状が強い場合は
抗不安薬などを使用することもあります
高橋医院