徐脈性不整脈・その2
徐脈性不整脈の解説を続けます <脚ブロック> 心室内の伝導路で 電気の流れが悪くなった状態です *完全ブロック *不完全ブロック に分類され 完全ブロックの方が 電気の流れがより悪くなっている状態です 房室ブロックの前兆となることもあります @右脚ブロック 右心室の伝導路の流れが悪くなった状態です 通常は症状を伴いません 運動などで脈拍が上昇した時などに 一時的に右脚ブロックになる人がいて この際に胸部の違和感を訴える人もいます 仮に右側が断線していたとしても 左側の伝導路から電気が流れてくるので 完全右脚ブロックの場合も 心臓は正常に動きます 右脚ブロックで心臓病がある人は 一部にしかすぎず 多くは心臓病の併発はありません 右脚は ちょっとしたことで電気の流れが悪くなりやすいのですが 断線したとしても ほとんど問題はなく 病気のために右脚ブロックが生じている人以外は 左脚にまで障害が及ぶことはあまりありません ですから 怖い不整脈ではありませんが まったく心配のないものかどうかは 心臓のエコー検査 運動負荷検査 ホルター心電図検査などで診断します @左脚ブロック 左心室の伝導路の流れが悪くなった状態です 右脚ブロックと異なり 心臓病を伴う場合が多いので 背景に心疾患がないか 精査した方が良いです 徐脈性不整脈は 薬があまり効きませんが ペースメーカー治療がとても有効です <ペースメーカー> 洞不全症候群 房室ブロックのような 危険な徐脈性の不整脈の人に用いられます 既に50年以上の歴史を持ち 国内では1年間に5万件以上の手術が 行われています ペースメーカー治療が本当に必要なのは 徐脈により失神やふらつきなどの 症状が起こったという証拠が 心電図などでとらえられている人です 脈が毎分30回くらいしかなくても その時に症状がなければ 必ずしもペースメーカーは必要なく 薬物治療も行いません 降圧薬 強心薬のため 知らない間に徐脈が生じていることがあるので ペースメーカーを植え込む前には 薬剤やその他の一時的な原因で生じていないことを 確かめる必要があります 実際には 局所麻酔下で 皮膚の下に 直径4~5cm 厚さ5~8mm程度の大きさの電池を入れ 切開した場所の静脈から心臓の中に 細い電線(リード)を入れて電池につなぎます これによって 自分の脈が出ない時に ペースメーカーが代わりに電気を流してくれるので 普通の人と変わらない生活を送れるようになります ペースメーカーの誤作動を誘致しないように 弱い電磁波を発生している スマホなどの電子機器類は 胸に近づけないように気をつける必要があります
高橋医院