このブログでも何回も紹介してきましたが
世間では数年前から
低糖質ダイエットブームが続いています

低糖質ダイエットブームを示す写真

書き手も低糖質ダイエットは
肥満の方のダイエットには効果的だと思っていますが

お米を愛する(?笑)この番組では
低糖質ダイエット批判が展開されます


@低糖質ダイエットは要注意

最近「糖質を大幅に減らすことの危険性」について
世界中で研究報告が相次いでいます

長年にわたって糖質摂取量が少ない人は
死亡率が1.3倍以上に高まっている

長年にわたって糖質摂取量が少ない人は死亡率が1.3倍以上に高まっていることを示すグラフ

低糖質ダイエットは
半年~1年の短期間では減量効果をあげられるが
長年続けると深刻な病気のリスクが高まる

長期間にわたり糖質摂取量を大幅に減らすと
心臓病による死亡率が50%近くも増加する

こうした報告が相次いでなされ
長期間の極端な低糖質ダイエットには
十分な注意が必要と警鐘が鳴らされています


@糖質は最も重要なエネルギー源

人類は 常に糖質を最も重要なエネルギーとしてきた

タンパク質をエネルギーにする場合は
アンモニアという有害物質が生じて
体にダメージを与え

脂肪をエネルギーにする際には
糖質に比べて多くのプロセスを経る必要があり
それが体の負担になる

ヒトの体は 通常の生理的状態では
あくまで糖が
第1選択として使用されるエネルギーである
ということですね

エネルギー源としての糖質の重要性を示す図


@糖質は少なすぎても多すぎても良くない

糖質の摂取量を
減らしすぎると死亡率が上昇し
摂りすぎると
肥満や生活習慣病により
死亡率が上がることが明らかになった

糖質もアルコールと同じように
摂取量と死亡率の間にJカーブが存在し
摂りすぎは勿論健康に悪いけれど
摂らなすぎも健康に悪影響を及ぼすということです

糖質の摂らなすぎも健康に悪影響を及ぼすことを示すグラフ

最も死亡率が低い糖質の摂取量は
全カロリーの50〜55%で

50歳の人の平均余命は
全カロリーにおける炭水化物の比率が
30%の人は29.1歳
50~55%の人は33.1歳
65%以上の人は32歳

少なすぎても多すぎても良くない

ということで
適量な炭水化物の量は
大人は毎食お茶わん1杯程度である

書き手も最近は
かなりの減量を必要とする場合をのぞいて
患者さんにそのように説明することにしています


@糖質の種類に注意が必要

だからといって
どんな糖質を摂っても良いというわけではありません

現代は ご飯だけでなく
パンやスイーツなど
おいしい糖質があふれているため
糖質の種類を選ぶことが大切

よく聞かれる
「スイーツを食べたいから ご飯を我慢しよう」
という考え方は大きな間違いで

ご飯と砂糖は 同じ糖質でも全く別物

砂糖などそのままで甘く感じる糖は
素早く体に吸収されやすく
とりすぎると急激に血糖値 インスリンを上げ
体に負担をかけるし太りやすい


ご飯と砂糖の違いを示す図

しかし
ご飯は体内でゆっくり分解され
おだやかに血糖値を上げるので
砂糖のような心配がない

たくさんのおいしい食べ物にあふれる
飽食の時代に生きているからこそ
何を選び取って食べるか
私たち人間の叡智が試されている時代

というメッセージを番組は残しました


ご飯をテーマにした第1話の take home message は

*極端な糖質ダイエットの危険性

*糖質の種類の選択の重要性

ということでしょうか?

番組では最後の尾ひれのような扱いでしたが
同じ糖質でも ご飯と砂糖は全く別物という事実は

この番組では不評だった
糖質ダイエットを行う上でも
しっかり認識しておくべきものと思います
高橋医院