日本人は米が好き!
米を食べて糖を得て 脳を発達させたヒトの祖先 なかでも日本人は米をたくさん食べるようになりました @米は栄養学的に優れている 日本人が主食に選んだ米には 他の穀物とは異なり 健康に欠かせない必須アミノ酸が 全て含まれています さらに 米には食物繊維も含まれており 主食のご飯は食べる量も多くなるため 実は日本人は 食物繊維を米から一番多く摂っているのです 書き手は以前から この事実は 米を嫌う糖質ダイエットの 秘かな弱点だと思っていました 日本人は糖質ダイエットにより 食物繊維不足に拍車がかかりかねません 米には ほかにも ビタミンやミネラルなど 体に必要な栄養素が詰まっています そんな優れものの米が 日本でも栽培され始めたのはおよそ3千年前で それにより それまで木の実などから糖質を摂っていた日本人の 食生活は激変しました @アミラーゼ遺伝子 日本人が米好きになったのには しっかりとした科学的な理由があります ここで登場するのがアミラーゼ遺伝子 唾液に含まれるアミラーゼという 酵素を作る遺伝子で 口の中で でんぷんを甘い糖に分解する働きがあります 欧米人など でんぷんをあまり食べない民族は アミラーゼ遺伝子を4~5個持つ人が最も多いのですが 日本人をはじめ でんぷんを多く食べる民族は 遺伝子の数が多く 平均7個あることが確かめられました つまり アミラーゼ遺伝子を多く持つ日本人は ご飯を口の中で噛んだ時 でんぷんがいち早く糖に分解され 甘味を感じやすいのです @日本人は米を食べても太りにくい 一方 アミラーゼ遺伝子の数が多い人ほど でんぷんを食べても 太りにくい体質だということも わかってきました でんぷんを摂った時の インスリン分泌量を調べたところ アミラーゼ遺伝子が多い人は 約20%もインスリン分泌量が少なかったのです 日本人などのアミラーゼ遺伝子が多い人は 米を食べた時に 口内で素早く甘味を感じ 糖が体に入ってきたことをいち早く体が察知して 速やかに適量のインスリンを分泌して 糖を効率よく体に取り込めるのです その結果 だらだらとインスリンが過剰に分泌されにくくなり インスリンにより誘導される肥満が 抑えられると考えられます 米を主食に選び 多く食べ続けてきた日本人は 自らの遺伝子を変化させて 米を食べても肥満や糖尿病になりにくい体質へと 進化したのです この話の流れは意外でした アミラーゼという 非常に地味な酵素が出てきたことに驚きましたが その遺伝子数が インスリンの適正分泌につながったのは もっとびっくりしました! なるほどね~ という印象でした ここで アミラーゼ遺伝子とは異なる機序により 米を食べても太りにくい人々が紹介されます ラオスのジャングルの奥地に住む人々は 米を1日に1Kgも食べるのに 肥満者や生活習慣病の患者はほとんどいません どうしてなのでしょう? @米を食べる腸内細菌 村人たちの便を集めて 彼らの腸内細菌を分析した結果 プリボテラ菌という腸内細菌が 非常に多く存在していることが分かりました 欧米人にはあまりみられない菌ですが ラオスの村人たちは プリボテラ菌が全腸内細菌の 2割以上を占めていたのです この菌は 米などの糖質を食べて 短鎖脂肪酸を作り出します 短鎖脂肪酸は 脂肪の燃焼を促して肥満を防いだり 免疫の働きを良くして 動脈硬化や糖尿病を予防したりするなど 優れた健康効果があることが 明らかになっています このブログでも 短鎖脂肪酸は既に何回も登場しました ラオスの村人たちは 米を食べて短鎖脂肪酸を産生する プリボテラ菌のおかげで 肥満や生活習慣病が少ないのかもしれません 日本人は 昔ほど多くの米を食べなくなりましたが 日本人50人の腸内細菌を調査したところ プリボテラ菌は全腸内細菌の7.5%と 減ってはいるものの しっかり存在していました 今 話題の腸内細菌が登場してきたのは トレンドだなと思いましたが 腸内細菌と同じくらい 注目されている短鎖脂肪酸も登場 しかも米を食べて短鎖脂肪酸を作る腸内細菌が 米をたくさん食べる人の腸内に たくさん存在しているなんて 話が出来過ぎです! プリボテラ菌が 米を食べて短鎖脂肪酸ことを発見した人は ビックリしたし 嬉しかったでしょうね(笑) ということで 日本人は主食に米を選び食べ続けたことで 「太りにくい遺伝子」を獲得して さらに「健康を守る腸内細菌」まで授かったのです
高橋医院