現代社会における哲学の役割
現代は 何百年に一度の大きな転換期と言われています デジタルテクノロジーは 電子メデイア インターネット社会を築き上げ バイオサイエンスは AIやゲノム編集を可能にしました グローバリズムや金融工学の発展は 資本主義や民主主義の方向転換を迫っています 近代のヒューマニズムが重要視した 人間というものの存在すら疑問視されている時代で 全く新しい人間の在り方が 生み出される可能性もあります こうした時代だからこそ 哲学が 新たな指針や考え方を提供できるかもしれません 現代社会で哲学に何ができるのでしょう? @バイオサイエンス ゲノム編集などにより 人間が進化に介入できるようになりました またAIが「考えること」ができる時代となり 人間の発想そのものが 根底から変わらざるを得なるかもしれません こうした時代の 人間の在り方 人間の尊厳の問題に 哲学はどうコミットできるのでしょう? @デジタル情報通信革命 デジタル情報通信革命の進化により 情報化社会となり 情報そのものが肥大化しています また GAFAによる情報独占の問題も出ています 情報を如何に収集し どのように評価し 管理するかが重要な時代に 哲学はどのような指針を示せるのでしょう? @ナショナリズム グローバリズム 書物を通して人間を知るという ルネサンス以来の人文主義 近代的言語とそれにより書かれた書物の印刷により 近代国家のナショナリズムが形成されましたが ナショナリズムを超えたグローバリズムが盛隆を迎え それに対して近年では 巻き返しでナショナリズムが再復興しています 哲学は 両者のバランスを 上手くとることができるでしょうか? @資本主義 民主主義 資本主義や民主主義は このままで良いのか? 永遠に続くものなのか? どこかで終わりが来るのか? ポスト資本主義の青写真が描けず 民主主義を越えるシステムが模索できない時代です 哲学は どのようなサジェスチョンができるのでしょう? このように現代は これまでの社会に基盤となってきた多くの価値観に 疑問が投げかけられ それらの多くが互いに連関しているので 問題がさらに大きく複雑になっています こうした混沌とした時代では 基本的概念そのものを時代の転換に合わせて 変えていかねばならないのでしょうが どういう形で 社会を設計していくのか? どのような 社会を形成する大きな思考の枠組みを作るか? こうした現代社会が有する大きな問題の解決に 哲学はどのように貢献できるのでしょう? 期待を持ちながら 見守っていきたいと思います
高橋医院