新型コロナ・ウイルスの消毒の基本
これまでに紹介したような 次亜塩素酸水 次亜塩素酸ナトリウムの混同を受け 厚労省は6月末に 推薦する消毒・除菌方法を改めて公表しました <テーブル ドアノブなどのモノ 手指に有効な方法> @水 石鹸による手洗い @アルコール消毒液による 手洗い モノの消毒 基本中の基本ですね! <テーブル ドアノブなどのモノに有効な方法(手指には無効または未評価)> @熱水 80℃ 10分間処理します @次亜塩素酸ナトリウム水溶液(塩素系漂白剤) 0.05%の濃度に薄めて拭きます @次亜塩素酸水 消毒したいモノの汚れを あらかじめ落としておきます 拭き掃除には 有効塩素濃度80ppm以上のものをたっぷり使い 消毒したいものの表面をヒタヒタに濡らしたあとに 20秒以上おいてから きれいな布やペーパーで拭き取ってください 生成されたばかりの次亜塩素酸水を用い 消毒したいモノに流水掛け流しを行う場合は 35ppm以上の濃度のものを使い 20秒以上掛け流したあとに きれいな布やペーパーで拭き取ってください 不安定な物質のため 冷暗所に保管し 早めに使い切りましょう また 成分等がわからない製品は購入を控えましょう 次亜塩素酸ナトリウムを原料に 酸を加えたもの イオン交換等をすることで酸性に調整したものも 次亜塩素酸水として販売されていますが これには規格や基準が無く 成分がはっきりしないものもあります 「ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム」などの粉末で 水に溶かすことで 次亜塩素酸水を作れる商品も販売されています また「pHを調整した次亜塩素酸ナトリウム」と称して 販売する例があり アルカリ性の「次亜塩素酸ナトリウム」と 酸性の「次亜塩素酸水」の 混同の一因になっています @次亜塩素酸ナトリウム 次亜塩素酸水に共通の注意事項 ※塩素に過敏な方は使用を控えてください ※目に入ったり 皮膚についたりしないよう注意してください ※飲み込んだり 吸い込んだりしないよう注意してください ※酸性のものと混ぜると塩素ガスが発生して危険です ※「次亜塩素酸ナトリウム」を水で薄めただけでは 「次亜塩素酸水」にはなりません @洗剤・界面活性剤 界面活性剤は ウイルスの膜を壊すことで無毒化し 9種類が新型コロナウイルスへの有効性が確認されています *直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(0.1%以上) *アルキルグリコシド(0.1%以上) *アルキルアミンオキシド(0.05%以上) *塩化ベンザルコニウム(0.05%以上) *塩化ベンゼトニウム(0.05%以上) *塩化ジアルキルジメチルアンモニウム(0.01%以上) *ポリオキシエチレンアルキルエーテル(0.2%以上) *純石けん分(脂肪酸カリウム)(0.24%以上) *純石けん分(脂肪酸ナトリウム)(0.22%以上) 上記の有効な界面活性剤が含まれた家庭用洗剤を 選んで使用してください 注意事項 ※目に入らないよう注意してください ※原則 手指や皮膚に使用しないでください (手指用の製品は使用できます) ※飲み込んだり 吸い込んだりしないよう注意してください @アルコール アルコール濃度が 70%以上 95%以下 のエタノールを用いて拭き取ります 濃度が60%台のエタノールによる消毒でも 一定の有効性があると考えられる報告があり 70%以上のエタノールが入手困難な場合には 60%台のエタノールを使用した消毒も差しつかえありません 注意事項 ※アルコール過敏症の人は使用を控えてください ※引火性がありますから 空間噴霧は絶対にやめてください <空気中のウイルス対策> @換気 新型コロナウイルスを室外に排出するためには こまめに換気を行い 部屋の空気を入れ換えることが必要です 窓を使った換気を行う場合 風の流れができるよう 2方向の窓を 1時間に2回以上 数分間程度 全開にしましょう @消毒液の空間噴霧について WHOは5/15に 新型コロナウイルスに対する消毒に関して 「室内空間で 物品等の表面に対する消毒剤の噴霧は推奨されない」 「屋外であっても 空間噴霧は人の健康に有害となり得る」 「消毒剤を人体に対して空間噴霧することは いかなる状況であっても推奨されない」 と注意しています アメリカの疾病予防管理センターも 医療施設における消毒・滅菌に関するガイドラインのなかで 「消毒剤の空間噴霧は 空気や環境表面の除染方法としては不十分であり 日常的な患者ケア区域における一般的な感染管理として推奨しない」 としています 繰り返しになりますが 人がいる空間への 次亜塩素酸ナトリウム水溶液の噴霧は 眼や皮膚に付着したり 吸入したりすると危険なので 絶対に行わないでください
高橋医院