新型コロナウイルス感染下で
患者さんからの訴えで意外に多いのが
不眠です

コロナ不眠を訴える人

当院に来られる患者さんでも
コロナの影響で眠れなくなったとか
以前は睡眠薬を服用していて
最近は止められていたけれど
コロナのせいでまた睡眠薬が必要になった
と言われる方が少なくありません

書き手が新型コロナによるストレスに興味を持つ
きっかけにもなりました


<新型コロナウイルスによる不眠>

世界60ヶ国で1600人を対象にした検討では
新型コロナウイルスの流行が始まってからの睡眠について
質が悪いとの回答が46%に上り
40%の人はアルコール消費が増えたと答えたそうです

またアメリカでは
2月半ば~3月半ばにかけて
睡眠薬の処方が14.8%増えました

コロナ不眠を訴える人の割合を示すグラフ


@中途覚醒してしまう

新型コロナウイルスの流行下で目立つのが
中途覚醒です

途中覚醒について説明した図

神経が疲れ切っているから寝付くのは早いけれど
いったん寝付いても 夜中に目が覚めてしまい
色々と心配して
もう一度寝ようとしても
頭が冴えて興奮して眠れなくなる
という方が多いです


@原因

そもそもストレスが多いと不眠は悪化します

さらに 新型コロナが強いる
自粛や在宅勤務などの新しい生活様式では
1日の生活リズムが崩れて けじめが無くなります

こうした日常生活のスケジュールの乱れと
パンデミックによる全般的な不安があいまって
不眠が悪化してしまいます

コロナ不眠の原因をまとめた表


<不眠に対する対策>

@規則正しい生活のリズムを守るのがいちばん

自宅に籠る生活では
従来の生活リズムが崩れてしまうので
いつもの時間に寝て
いつもの時間に起きるようにします

起床時に日光を浴びて 体内時計をリセットして
正午以降は カフェインの摂取を控えます

また 長時間の昼寝は避けるようにしましょう

不眠対策をまとめた表


@定期的に運動をして 外で新鮮な空気に触れる


@アルコールを飲み過ぎない

寝酒をすると
寝付きは良くなりますが
夜中に何度も目が覚めて 睡眠の質が低下します

普段飲んでいた時間に
普段と同じ量を飲むようにして
アルコールの量が増えないように気をつけましょう


@新型コロナ関係の情報をシャットアウトする時間を作る

新型コロナウイルスに関する情報を求めない
「ノーコロナタイム」を
敢えて作るようにしましょう

1日中 ずっと心配事で頭をいっぱいにすると
脳が処理できなくなり 
睡眠障害にもつながります

ツイッターもご法度です

寝る1~2時間前には
ストレスのあるコンテンツを見ないようにするのも大切です


@不安をベッドまで持ち込まないようにする

今日できることはすべてやった もうやることはない
と自分に言い聞かせて
ベッドに入るようにしましょう

ベッドで不安を訴える人

@寝室で仕事をしない

寝る時間になるまで
ベッドの近くに行ったり
座ったり横たわったりしないようにしましょう

寝室は寝る場所だと 脳に認識させるのです

また 眠れない時や
真夜中に目が覚めて20分たっても眠りに戻れない時は
ベッドを出て何かリラックスできることをしましょう

このあたりのことは
以前に不眠の解説をしたときにもご紹介しました
高橋医院