アメリカでは
大統領選挙の開票が行われています

大統領選挙の広告

大きな目で見れば
地球上の一国の指導者を選ぶ選挙に過ぎませんが
良きにつけ悪しきにつけ アメリカですから(笑)
世界への影響は少なくありません

トランプかバイデンか
一体どうなるのでしょう?

トランプとバイデン

書き手は バイデンに勝って欲しい
というか トランプには勝って欲しくない(笑)

でも トランプが勝ってしまいそうですね、、


どうしてアメリカの人々は4年前に
そしておそらくは今回も 
トランプを選んだのでしょう?

色々な分析がなされていますが
11/2の朝日新聞に面白い記事が出ていたので紹介します

朝日新聞の記事

北大の吉田徹先生へのインタビューですが
吉田先生は
「トランプ個人に注目してはいけない」
と言われます

また「トランプは伝染する」
面白い示唆に富んだ指摘をされます

トランプは
アメリカ社会の分断に寄りかかり
相手をののしり なりふり構わずたたきのめそうとする
友か敵かの対立を先鋭化させた

叫ぶトランプ

ここで重要なのは順番で
分極化が先にあるのであって
政治家が分極化を生み出したわけではない

ポピュリストが民主主義を危機にさらすのではなく
民主主義が危機にあるからこそ
ポピュリストが呼び込まれるのだ

民主主義が危機にあるからこそポピュリストが呼び込まれることを示す図

ポピュリストは 分断や分極によって生み出され
それに掉さすことで
社会に及ぼすダメージを深刻なものにする

だから
背景に注目して彼の個性を脱神話化しなければ
本当の危機が見えなくなってしまう


なるほど 目から鱗です!

トランプの個性が強烈すぎるので
ついつい彼自身に興味や注目が行きがちですが
どうして彼が今の地位に就くことになったのか
その背景をしっかりと吟味しなければならない
ということですね

さらに この4年間で
トランプがあんなに品格も知性もないことがはっきりしたのに
それでも証拠にもなく(?:笑)
またしても彼を選びそうだということは
トランプ個人がどうこうなのでなく
時代が彼のような人物を求めているということなのでしょう


で その時代背景について 吉田先生はこう分析されます

現代は 産業構造と労働が大きな転換期を迎えているが
歴史的に見て
ポピュリズムはこうした転換の時代に生まれることが多い

ポピュリズムの第1の波は
農業経済から工業経済への本格的な転換があった
19世紀後半に起こり

産業革命の頃の人々

アメリカではポピュリスト党が結成され
ロシアではナロードニキ運動が起きた

ポピュリスト党のポスター

第2の波が来たのは
都市化とサービス産業へのシフトが起きた1950年代で
アメリカではマッカーシズムが起こり
フランスでもプジャーディズムと呼ばれた
反共・反租税運動が起こった

マッカーシズムのポスター

そして
先進国で製造業の衰退と
IT化・デジタル経済への転換が起きている今こそが

IT化の様子

ポピュリズムが生じる第3波の真っただ中である

現在はポピュリズム増加の第3の波であることを示すグラフ

いずれの波でも
その時代に生じた大きな産業構造や労働のあり方の転換から
取り残された人の不満を既存の政治がくみ取れず
別の政治を求めるようになり
ポピュリストが幅を利かすようになる

こうした構図は世界共通で アメリカ固有のものではない

世界のポピュリストたち


面白いですね!
こういうことが 
歴史のダイナミズムを勉強して俯瞰することの
醍醐味だと思います


ちなみに 週末に見たNHKで
アメリカ各地のダイナーに食事に来たお客さんに
大統領選挙についてインタビューする番組をやっていましたが
想像以上にトランプ支持派が多くてびっくりしました

NHKの番組の1シーン

うーん やはりそういうことなのか、、
高橋医院