「トランプのアメリカ」は続くのか?
もめていたアメリカ大統領選挙は 日本時間の8日未明 ペンシルバニアでのバイデンさんの勝利が決定し バイデンさんが 新たなアメリカ大統領に選出されました 街ではバイデンさんのサポーター というより アンチトランプの人たちが 大喜びしている様子がテレビで放映されていましたが でも トランプは予想されていた通り負けを認めず 法廷闘争に打って出ることを宣言しているようで いやはやという感じですが(苦笑) 書き手がいちばん疑問に思っていることは あんなに傲慢で 品位も教養もなく 薄っぺらなトランプという人が その正体を4年間さらし続けたあとでも どうして前回以上の多くの人々の支持を受けたのか? ということです しかもトランプサポーターの数は 全体の50%に迫る勢いです! そのような疑問を持ちながら この1週間 普段はあまり気にかけてこなかった メデイアが伝えるアメリカ社会の現状レポートを読みました ウオールストリートジャーナルは 今回の選挙が明らかにしたことは アメリカという国家の分裂状態がさらに深刻化していることで 今回の高い投票率は 今ある反目がどれほど根深いのかを 一段と鮮明に浮かび上がらせた さらに懸念すべきなのは この分裂の本質は 経済対策 医療制度 移民対策などの 具体的な争点に関することだけでなく もっと根本的な文化的な問題と態度であるように みえることである 特に共和党の支持者は 民主党との戦いを 政治信条や社会問題を巡る文化戦争とみなす 強固な価値観を有しているように見える そして トランプもハイデンも 自らの支持者ではなく 相手を支持しない人たちからの票を獲得することに 最も成功していることも憂慮すべき事実である という論説を掲載していました 確かに これはもう 文化の問題なのかもしれません しかも深い負の情念をともなっているように見えるから 余計に厄介です でも アメリカはもともと多民族国家で さまざまな文化の多様性を尊重する社会だったはずですよね? なのに どうして今のような状況になってしまったのでしょう? 前回のブログで話題になったように アイデンティティの危機は 寛容さを打ち消してしまうのでしょうか? 一方 ニューズウイークは 最も重要なのは アメリカの有権者の半数近くが 白人至上主義の常習的な嘘つきで この100年で最も深刻な公衆衛生上の危機に対して 目を覆うばかりの無様な対応をしたトランプを 支持したという事実で 彼の耐えがたい欠陥に目をつぶるか むしろ諸手を挙げて歓迎したのだ こうした「トランプのアメリカ」状態は たとえバイデンが大統領になっても変わらず この国の機能不全は今後も解消されない恐れがある と 今後のアメリカを危惧します こういう論調は もはやコンセンサスになった気がします バイデンさんも 現地の7日夜 日本の8日午前に行った 大統領選挙の勝利を宣言するスピーチで 「アメリカの傷を癒やすときが来た」と 寛容と融和をしきりに訴えておられました ちなみにCNNでは オバマの勝利演説ほど感動的ではなかったけれど 普通に良かったとコメントしていましたね(笑) で このバイデンさんの言葉は “目がいってしまった”ように見えるトランプ信者さんたちの耳に ちゃんと届くのかな? アメリカ社会は どうなっていくのでしょう?
高橋医院