トランプは寺内貫太郎を見習え?
もう少し アメリカの大統領選挙の話題を続けます さまざまな報道を見ていて 特に面白かったのが 11/5夜にハフポストがオンラインで流した “暴君”トランプ氏がそれでも支持される理由とは? アメリカ分断化社会のこれから という討論番組でした コメンテーターのひとりの モーリー・ロバートソンさんは (彼は面白いので書き手は密かなファンです:笑) 両候補の支持者たちの 感情移入の度合いが大きすぎて冷静さを失っている トランプのマジックに 全員が踊らされているのだ トランプは年齢の割にはタフな印象が強く リベラルを頑なに受け付けない 本音で語る頑固オヤジで そんなイメージと職業政治家ではないことが一定の評価を受け この4年間で確実に支持を伸ばした さらに 狂信的なトランプ信者以外に これまでの金融エスタブリッシュメント体制に批判的な人などの もう少しマイルドなトランプ信者がいて 彼等が敢えて消去法的にトランプを支持している と指摘しました トランプ支持者たちは トランプについて 「彼は良い気分にしてくれる エネルギーをくれる」 「2016年以降 この国に愛国心の鼓動が再び鳴り響くようになった」 と語るそうで 7000万人という多くの人が トランプを支持したことが意味するのは トランプを支持したのは「普通のアメリカ人」ということだろう という指摘が毎日新聞にも書かれていました では トランプ支持者は 彼の言動を否定的に見ながら なぜ支持するのか? ラストベルトに移住したりして 秀逸なレポートを発信し続けている 朝日新聞記者の金成隆一さんは トランプ支持者たちは 彼の人格や日々の振る舞いに問題点があるのは承知しているが グローバル経済への対抗などの優先項目を大事にするため 敢えてそこを大目に見る と指摘されます アメリカ大統領選挙の取材歴が長い長野智子さんは トランプ支持者から 経済 職などの疲弊した日々の生活のことを考えると どうしても「利己的」にならざるを得なくて そうすると 差別や女性蔑視が悪いとわかっていても トランプ支持になってしまう と何度も聞かされたと話されていました ちなみに 若い頃は「ひょうきんアナウンサー」だった長野さん しっかりとしたジャーナリストになられました それにしても なるほど いずれもうなずけるお話です ロバートソンさんは さらに コロナの影響で人々の心が閉塞している影響もあり トランプが政治の世界に登場した2016年には ある意味で「笑いネタ」の対象だった彼が 今や教祖様のようになり 彼が吹聴する陰謀論を本気で信じている人たちが増えている これがこの4年間で起こっている変化で その背景には 経済的 社会的な強い不安 不満がある トランプは 今の苦しみをとりあえず癒してくれる偽薬的な存在であり 人々がなんとなく気になるダースベーダ―的な存在でもある と語り(彼の指摘は面白いでしょう?:笑) 最後に トランプにばかり注目することは 木を見て森を見ないことで トランプは負けても 彼の亡霊は あと数十年はアメリカに残り続けるだろう と予測しました そういえば 金成さんの最新の新書のエピローグにも 今後のアメリカ政治では トランプ2やトランプ3が定期的に出現するかもしれない と書かれていましたね なるほど 日々の生活を苦労しながらやりくりしている普通のアメリカ人が 仕方なくトランプを支持しているという側面があるのですね そう考えると 50%の人が支持する現実も 理解できないわけではないように思えてきました それにトランプには 確かに 愛すべき頑固オヤジ的な側面もあるかもしれません でも アメリカ大統領としては ちょっとね で モーリーさんの面白いお話を聞いていて それに触発されて(?:笑)書き手はふと思ったのですが もしかしたらトランプさんは小さい頃に テレビで人気番組だった「寺内貫太郎一家」を こっそり見ていたのかな? あ 若い人は 寺内貫太郎をご存知ないかな?(再苦笑) 1974年・昭和の時代に放送された(古い!:笑)大人気ドラマで なにかあると すぐにかんしゃくを起こして お茶の間のちゃぶ台をひっくり返してしまう頑固オヤジの 寺内貫太郎さんが主人公でした でもトランプと縁付けたからといって 寺内貫太郎のことを揶揄したわけではありませんよ! 貫太郎さんは 人情の機微をちゃんとわかっていたし 理不尽に怒っても 決して敵は作らなかったし 自分の怒りの落としどころを きちんとわきまえていましたからね むしろ トランプに貫太郎さんを見習ってほしいのです!(笑)
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