日本酒を世界酒に
寒くなってきたこの時期 熱燗の日本酒が恋しくなったりします 年末年始休暇も始まりましたので 最近ご無沙汰していた「左利き」の話題を提供します <日本酒を世界に> 日本酒の日本での消費量は 全盛期の1/3まで減少しています そこで日本酒業界は 海外進出を試みていて 輸出量はこの10年で2倍に増加しているそうです 輸出先を見ると 75%以上はアメリカ 韓国 中国などが占めていて ヨーロッパはごくわずかです ですから 世界全体でみると まだまだ日本酒が広く流通しているとはいえません また 輸出量は全生産量の4% 総額187億円ほどで 日本酒のほとんどは 日本国内だけで飲まれているのが現状です そんななか NHKの「SAKE革命」というBS番組や 「クローズアップ現代」などで 日本酒の世界進出を試みている蔵元さんたちが 紹介されていました 岩手の南部美人の蔵元の久慈さんは アフリカ アメリカなど世界各国に出かけて 日本酒を広めています 久慈さんは 日本酒の魅力はフレッシュさ フルーティさで ワインやビールにないポイントなので フレッシュで爽やかな味わいを楽しんでもらいたいと 搾りたての生酒を瞬間冷凍して海外に輸出したり 色々と新たな試みをされています 日本酒を世界で認められるようにしたい そのために 世界各地で日本酒を作ってほしいと 自らの酒造りの技も惜しみなく 世界中の人々に伝授されています 一方 大阪の貿易商社の小林さんは ヨーロッパ 特にスイス 北欧で日本酒を広められています 当初 スイスでは 地元の人が好む白ワインのような 華やかな香りがあり軽快で飲みやすい 純米大吟醸や大吟醸が好まれると思っていたそうですが 意外と 純米酒や生酛造りの酒が好評で スッキリした味よりも 複雑味のある重い味が好まれているとのこと スイスの特産品といえばチーズで クリーム系の料理も多いので それに合うような どっしりしたうま味系が好まれるのでは? と推察されています 北欧は魚をよく食べるので それに合うきれいな味わいの 大吟醸や淡麗辛口の酒が人気で スペインは温暖でラテン的なので スパークリングやフルーティで飲みやすいものなど 屋外でワイワイ楽しめるような日本酒も 好まれているそうです ひとくちにヨーロッパといっても 国により好みの日本酒のタイプが異なるのは面白いですね <日本酒の世界へのアピールポイント> 日本酒が世界に向けてアピールするポイントは 世界酒であるワインやビールにはない 「うま味成分」だそうです なるほどね 日本酒はビール ワインに比べて グルタミン酸の含有量が5~10以上あるそうで そこが大きなセールスポイントになります また 日本酒は 糖分と やわらかい甘味を感じるうま味が うまく調和しているので 色々な食べ物の味を引き立ててくれて 合わない食事はないほどの マリアージュの万能性があるそうです こうした点も 世界に向けて誇れる日本酒の個性となっているようです <世界の日本酒事情> 一方で日本からの輸出だけでなく ここ10年あまりで 世界各国で次々と日本酒が醸造され始めたそうです アメリカでは15ヵ所 カナダでは3ヵ所 メキシコでは1ヵ所 チリでは1ヵ所 ニュージーランドに1ヵ所 台湾に1ヵ所 イギリスに2ヵ所 フランスに3ヵ所 スペインに2ヵ所 イタリアに1ヵ所 それぞれ現地の酒蔵があり そのほとんどが日本人でなく地元の人たちの手によるものです 日本酒もSAKEという世界共通語として 徐々に認知されるようになり 海外で作られたSAKEが新たな日本酒として 国内に入ってくるタイミングが来ようとしていると NHKの番組では紹介していました 次回は そんな海外の日本酒醸造所を紹介します
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