ワインの歴史の紹介が終わったので
今日からワインの原料であるブドウについて解説します

ブドウは
オレンジ バナナについで 世界で3番目に多く栽培されている果実で
ボトル1本分のワインを作るのに
1Kgのブドウの実が必要となります


<ブドウの実の成長 成熟>

ブドウの実のなかでは
成熟により
香り 味に大きな影響を与える成分変化が起こります

ブドウの成熟による経時的な成分変化を示した図

成熟するにつれ
ブドウ糖 果糖などの糖分が増加し
リンゴ酸が低下して
そのあとに タンニン フェノール類が成熟して
果皮が色づいてきます

ブドウを収穫する時期は
実の糖度 pHなどを測定して
糖度と酸度のバランスを考慮して決まります

ブドウにとって 糖を作ることが一番重要です

葉の葉緑素で 日光を利用して光合成が行われます
太陽光の光エネルギーを利用して
二酸化炭素と水からブドウ糖が合成され

できたブドウ糖は エネルギーとして利用され
一部は果実の中に貯蔵されます

ですから ブドウの実の成熟には なにより日光が大切なのです

日光を浴びるブドウ畑のブドウ

一方 ブドウは夜は呼吸して糖分を分解します
日光がない夜は
呼吸によりブドウ糖が二酸化炭素と水に分解されるのです


<ブドウの実の成分>

ブドウの実の中には いくつかの成分が存在します

@糖分

甘味のもとで
ブドウ糖 果糖が半分くらいずつ存在します

温度が低いと 甘味は弱く感じられます

@有機酸

酸味のもとで 主たる種類は酒石酸 リンゴ酸です

ブドウの実の有機酸について説明する図

酒石酸は
ブドウ以外の果実にはない珍しい有機酸です

産地が冷涼だったり ブドウの成熟度が低いと
リンゴ酸の比率が高くなります

程よく成熟したブドウの実は
糖と酸味のバランスがとれています

リンゴ酸は低温で美味しく感じられます

@タンニン

ポリフェノールの1種で 渋味のもとです
果皮 種子に多く含まれています

タンニンが果皮 種子に多く含まれていることを示す図

タンパク質や多糖などと結合して
複合体を形成しています

渋味や酸味は 温度が低いと強く感じられます

@アミノ酸

グルタミンなどが存在し うま味に寄与しますが
ブドウやワインの味への貢献は ほとんどありません

@ミネラル ビタミン

カリウム カルシウム マグネシウムなどは豊富ですが
ビタミンはそれほど多くありません


<ブドウの皮>

ブドウの皮の色は
皮に含まれるアントシアニンという色素でできていて
成熟とともに増加し ブドウが色づいてきます

アントシアニンとブドウの皮の色について説明する図

アントシアニンの遺伝子は 白ブドウにも黒ブドウにもあり
白ブドウでは遺伝子発現のスイッチがオフになっているので
濃い色がつきません

赤ワインと白ワインのアントシアニンの差異について説明した図

ブドウの皮には
ワインの香り成分の約半分以上が含まれています
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