テロワールってなんだ?
ブドウの木の栽培の解説の最後に テロワールについて説明しようと思います テロワールは ワインに関する話題でよく登場する言葉です @テロワールとは? 一言でいうと ブドウはどんな果樹よりも土地の個性を反映しやすいので どんな場所に植わっているかということが はっきりとブドウ ワインの個性としてあらわれる というコンセプトです ヨーロッパでは テロワールがワインの味わいに大きな違いをもたらしている という考えが古くから根付いています テロワールが異なれば たとえ同じ種類のブドウをその地に植えても 出来上がるブドウ ワインは異なる と考えます 良いワインの造り手は ワインにテロワールがそのままの形で現れるのを助け 畑の個性を表現しようとしますし 魅力的なワインの造り手は テロワールを重視している人が多いです @ブルゴーニュで生まれた テロワールのコンセプトは ブルゴーニュで生まれたとされます ブルゴーニュでは 気候も品種も全く同じなのに 隣り合う畑同士で全く異なるワインが造られ こうしことが起きる原因のひとつに 土壌の複雑性があげられます ブルゴーニュの土壌はパッチワーク状ともいわれ まるで布がつぎはぎされたように 隣り合う畑でもまったく異なる土壌で形成されており それが味わいに大きな影響を与えていると考えられているのです @テロワールはフランス特有の概念 フランスでは テロワールは 理論でなく肌感覚として理解されている自明の概念だそうで いちいち どの要素がどうで それがどうブドウやワインに影響するかなどということを 分析的に説明を加えるなどということはナンセンス極まりない 「テロワールはテロワールだ」 とフランス人は語るそうです う~ん いかにもフランス人らしい(笑) この感覚は 英語圏の人には理解が難しいとされていますが 日本語の風土という言葉は テロワールの感覚に近いものがあるかもしれないと言われます 書き手も その意見に同感です! @AOCの概念とテロワール 原産地呼称規制制度・AOCについては 前に説明しましたが ブドウがとれワインができる場所が限定されればされるほど ワインは個性的で価値は高くなるというAOCの考え方は テロワールのコンセプトをもとに出来上がっているとされます その最も小さな単位は 個別の畑という小区画で したがって個別の畑のワインが 最も個性的であるということになります まさにブルゴーニュのワイン造りの考え方です そしてこの考え方が ワインの品質や価格を決定するうえで長い間にわたって機能してきました @テロワールへの批判 こうした歴史的で根強いコンセプトには 当然 批判もあります テロワール“信仰”により 土地 畑の役割ばかりが強調され過ぎて ブドウの栽培 醸造技術が過小評価されているという批判です この論争は 永遠に続くのかもしれません @テロワールを反映しやすい品種 しにくい品種 テロワールを反映しやすいのは 土地に応じて異なる香りや風味を生みやすいブドウ品種で ピノ・ノワール リースリングが代表例です 一方 テロワールの影響を受けにくい代表的な品種は カベルネ・ソーヴィニヨン メルロです
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