グルテンフリーダイエット
これまで説明してきたグルテン関連疾患とは 直接関係ありませんが 近年 巷で話題の グルテンフリーダイエットについて 最後に説明しようと思います <注目されているグルテンフリーダイエット> セリアック病やグルテン過敏性腸炎の患者さん以外の間でも グルテンフリーダイエットが ダイエット食として世界的に流行されつつあります グルテンを含む食物の摂取を避けることにより 不定愁訴的な症状を改善し 良好な体調を得ようというダイエット法です 海外の有名スポーツ選手 有名モデル セレブなどが実践し その体質改善効果をSNSなどで発信したことから 世界的に注目を集めています <グルテンが入った食品> グルテンは うどんではコシを生み パンではふくらみを助けるなど 食感や外観に影響を与えるため 様々な小麦加工品を製造する上で欠かせません また前述したように 調味料 加工食品などでも広く使用されています <グルテンフリー食品> グルテンフリー食品のマーケットは 2015~2020年にかけて 年率10.4%も増加しています 近年では グルテン含有の有無を 食品のラベルに表示されるように法制化されました ですから グルテンフリーダイエットを実践したいならば 商品の裏面などに書かれた原材料表記を確認することが大切です ただ 日本のマーケットでは外国に比べ グルテンフリーの食品の品数が少なく値段も高いと セリアック病と診断された外国人の患者さんは嘆いていました <摂取をやめるべき食品> グルテンフリーダイエットで 摂取を止めるべきとされる食品は パン クラッカー パスタ シリアル ソース 加工肉 ビール モルトビネガー 唐揚・天ぷら・とんかつなどフライ食品の衣 カレーのルウやホワイトソース ミートソース などです 小麦粉を米粉に変えることでも対処可能で 米粉パン ビーフン フォー 春雨などが 推奨されています 蕎麦なら 蕎麦粉100%の十割蕎麦は良いですが それ以外の蕎麦は つなぎのうどん粉・小麦粉にグルテンが入っているのでダメです <隠れグルテン> 加工食品の調理時に ブイヨンや醤油などのグルテンが入った調味料使われていることがあるので 加工食品は要注意とされます また 乳化剤や増粘剤のような食品をトロトロ・モチモチにする添加物などが 安価な食品のボリュームアップのため使われたり ウインナーやハムなど加工肉のつなぎとして 使われていたりすることもあるので 要注意だそうです <食べても良い食品> 食べてもよいと推奨される食物は 米 コーン ポテト 大豆 フルーツ 野菜 魚 肉 卵 ワイン 蒸留酒 などです <健康な人には効果がない> ということで 世間ではグルテンフリーダイエットのダイエット効果が さまざまな形で喧伝され期待される傾向がありますが ダイエットに関しては 健康な人が実践して何らかの効果があるという科学的根拠は 報告されていません これまで説明してきたように グルテンを摂取することで さまざまな体調不良を感じる方がおられるのは事実です そうした方がグルテンフリー食を試されるのは 意義があることだと思いますが 健康な方がダイエット目的でグルテンフリー食を食べられるのは 個人の判断にお任せするということになるようです
高橋医院