フランスワインの白ブドウ
フランスのワイン造りで使われる 白ブドウについて説明します 現在のフランスでの 白ブドウの栽培面積の広さは *ユニ・ブラン *シャルドネ *ソーヴィニヨン・ブラン *セミヨン *ミュスカデ の順番になっています <シャルドネ> 白ワインの女王と呼ばれ 栽培には石灰質土壌が最も適している品種です シャルドネは世界中で栽培されていますが 環境への順応性が高く 冷涼な地域から温暖な地域まで どこでも良質なワインを造ることができます ニュートラルな性質で 産地や生産者による特徴が出やすい品種です 小粒で果皮は薄く ブドウ自体の風味がニュートラルで 強い個性を持ちません ですから 生産者個々の手法によって さまざまな味と香りを演出できる汎用性の高さ テロワールへの高い適応力があります フランスのシャブリのような 冷涼な気候のもとに育ったシャルドネを ステンレスタンクで醸造 熟成させた場合は グレープフルーツやりんごなど シトラス系の爽やかな香りと シャープな酸を持つすっきりとした辛口になり 南フランスやオーストラリアのように 比較的温暖な気候で育ったシャルドネは トロピカルフルーツのような果実味をたっぷりと持つ ふくよかなワインになります ブルゴーニュやカリフォルニアの 高級なシャルドネのワインの熟成には オーク樽の新樽が用いられることが多く 芳ばしいナッツやバニラの風味をそなえた コクのあるワインとなります 丁寧に造られたシャルドネのワインは 10〜20年の長期熟成にも耐えうるポテンシャルがあります <リースリング> ドイツのワインの主役であるリースリングですが フランスでは ドイツに隣接するアルザス地方を代表するブドウ品種で 冷涼な気候で育まれます 質の高い酸 果実味 ミネラル 甘みに強いアロマが印象的なブドウ品種です <ソーヴィニヨン・ブラン> ロワール渓谷 ボルドーにルーツを持ちます すっきりとした味わいと ハーブのような爽やかな香りが特徴で 完熟させたソーヴィニヨン・ブランからは グレープフルーツ パッションフルーツ カシスの芽など 心地良い香りが感じられます 3種類の硫黄化合物の揮発性チオール類が 特徴的な香りのもとですが 硫黄化合物があまりにも多く含まれていると 汗や猫のおしっこなどの香りを呈してしまいます ボルドーではセミヨンとブレンドされ ロワールでは単一で用いられることが多いブドウ品種です <その他の白ブドウ> @シュナン・ブラン ロワールには はちみつのような甘い香りと引き締まった酸味を特徴とする シュナン・ブランがあります @グルナッシュ・ブラン 南フランスにはグルナッシュ・ブランがあります 高いアルコール度と低い酸度を特徴として 柑橘類 ハーブ類とスパイスなどの香りを伴っています このように 白ブドウの味わいは多岐に富んでいますが ブルゴーニュのシャルドネが やや重めのボディと中間的なドライさで スタンダードな位置を占め アルザスのリースリング ボルドーのソーヴィニヨン・ブランなどが ドライな個性を発揮するポジションにいることがわかります ブドウ品種による個性の差異は 黒ブドウと比較して白ブドウでは 漠然とした感がありますが 実は奥が深いものだと思いました
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