何ごとも楽しく!
久し振りに 神様が降りてきました! あるヴァイオリニストと ベルリンフィルハーモニーが奏でる ヴァイオリンコンチェルトを 見聞きする機会があったのですが いやー すごかったです! クラシック音楽の勉強が足りない書き手にとって ヴァイオリニストも 演奏されたコンチェルトも 名前を聞くのは初めて コンチェルトの作曲家の名前も 聞いたことがありませんでした でも それだけに 初めて接した感動は ホントに びっくりするくらい凄かったのですよ! 万雷の拍手の中 弾き手は颯爽と舞台の中央に現れました ヴァイオリンを小脇に抱え ちょっと小走り クラシックコンサートで感じがちな 堅苦しさや重厚感はありません 指揮台の位置が舞台の中央から上手に少し移動され ヴァイオリニストが演奏する空間が 広めにとられています 客席を向いたヴァイオリニストは 背が高くて痩身 なによりも印象的なのが その笑顔です この写真でわかる方は 今日のブログの主人公が誰かわかりますね? 演奏に臨む緊張感などまるで感じさせず 指揮者にもオケの第一ヴァイオリンの方にも 実に柔和な笑顔でコンタクト そんな彼の妙な存在感が ちょっと不思議な でも心地よい空間を作りだします 彼のリードで おもむろに始まった曲は エーリッヒ・ウォルフガング・コルンゴールドの Violin Concerto in D major Op.35 あ なるほど と思われた方がおられることでしょう(笑) とにかく ヴァイオリンの音色が美しく 優しく そして ロマンチックです 思わず意識が覚醒して 彼が奏でる世界に ぐいぐいと引き込まれていきます 音楽を聴いてここまで夢中になるのは 本当に久しぶりで しつこいようですがビックリしました オーケストラとの掛け合いも絶妙で ヴァイオリニストが奏でる世界を オケがまさに重厚にサポートしつつ 奥行を作っていく感じです そして メロディが妙に聞き心地が良い デジャブ これはどこかで見たことがあるぞ という感覚がありますが その聴覚版 どこかで聞いたことがあるようで あとで勉強してわかりましたが 作曲者のコルンゴールドは 新進気鋭の音楽家として 20世紀初めにウイーンで活躍していましたが ユダヤ人であったが故に アメリカへの亡命を余儀なくされ アメリカでは映画音楽に貢献され アカデミー作曲賞まで獲得されたそうで ただ そうした活躍は出身地のヨーロッパからは蔑視され 長らく音楽界からは忘れ去られた存在でしたが 1970年以降に再評価され 現在に至っているそうです それほどクラシック音楽に造詣が深くない書き手でも 自然に懐かしく感じるような調べ あの聞き心地の良さは 作曲家のそうした背景によるものかと 妙に納得しました 確かに 映画音楽を聴いているような雰囲気もあります さて 曲が第二楽章のRomanzeすすむにつれ ヴァイオリニストは まさに自分の世界を築き上げていきます 印象的だったのは 彼の仕草 実に楽しそうに 気持ちよさそうに楽器を奏で オケの演者たちにも 柔和な笑顔で しきりにアイコンタクトします その表情や仕草は オーデイエンスをさらに彼の世界に引き込みます 隣で聴いていた方は 彼が 「楽しいね もっと演奏で語り合おうよ」 と周囲に呼びかけているようだと 印象を語っておられました 第三楽章のAllegroにすすむと 軽快なメロディの運びも ヴァイオリニストの妙技も オケとの絡みも まさに絶頂の域に達し あー もう終わってしまうの、、 という名残惜しさを感じつつ 万雷の拍手のもと ヴァイオリニストが作り出した至福の世界は 幕を閉じました こんな素晴らしい世界を 楽しませてくれたヴァイオリニストは Gil Shaham ギル・シャハム 1971年生まれの イスラエル人の演奏家です 不勉強な書き手は 彼の存在を知りませんでしたが 予備知識なしに彼の演奏に接することができ 予想外の大きな感動を得られて むしろ幸せだったかもしれません 実に圧倒されました ホントに凄かった、、、 あとで調べてみると 今年5月に来日されて N響とコンサートをされていたのですね しかも2月に行った 若手ヴァイオリニスト岡本誠司さんのリサイタルで ピアノを伴奏されていた江口玲さんと 仕事をされているようで なんとなく妙なつながりを感じました 次回 ギル・シャハムさんが来日されるときには 必ず“追っかけ”をしなければ と強く感じた次第です 書き手にとっての神様が ひとり増えました (笑) オーケストラは異なりますが ギル・シャハム さんが演奏した同じ曲をYou-tubeで見つけました 興味がある方は 彼の世界をお楽しみください! ジャケットの写真を見ると 若い頃はふくよかだったのですね
高橋医院