GWにNHK・BS1で放送された
イギリスのEU離脱問題をリポートした
特番を見ました

この番組は 
以前ニュースキャスターをされていた
記者の大越健介さんが

世界各地を取材して 
激動の世界情勢を分析していく内容です

確かお正月に放送した番組では
ロシアが ヨーロッパ諸国の極右勢力や
バルカン半島の国々とのコンタクトを強めることで
新たなキープレーヤーとして
世界の舞台に復活しつつあることを
レポートされていて 
とても面白かったです

さて いよいよ来週6/23に迫った

イギリスのEUからの離脱の是非を問う
国民投票

国民投票の投票用紙

番組では 
イギリスやスコットランドで 
色々な人達に取材して

この問題にまつわる 
歴史的 文化的背景を 
解きほぐそうと試みます

番組を見て 
特に印象に残ったことが 
いくつかありましたが

まず EUよりコモンウエルス 

というイギリス人の考え方

ブルッセルや 
ドイツやフランスなどに指示されるのはまっぴらで

EUに支配されるイギリスのイラスト

それくらいなら 
オーストラリアやカナダといった
旧英連邦諸国との結びつきを強めた方が良い

と考えている人々が 
イギリスには少なくないそうです

世界に分布する英連邦の国々

こうした姿勢を 
大英帝国のプライド 
といった表現もしていましたが

要するに 
イギリスはヨーロッパなのか? 
ということですね

ゲストのイギリス人のピーター・バラカンさんが
言及されていましたが

英語が話せる国同士の方が 
うまくいくと

そういえば 書き手は以前
英語が母国語でない人達と話したとき

英語という言語は 
フランス語やスペイン語のような
ラテンオリジンの言語と違うから
なんとなく違和感がある 

といった趣旨のことを聞いた覚えがあります

英語を母国語とする人々と 
英語が母国語でない人々の間に存在する
目に見えないけれど 
双方が無意識的に感じる溝のようなものは
意外に大きいのかもしれません

地理的にも 
ヨーロッパ大陸とは海を隔てているし
イギリス人は 
ヨーロッパの一員という認識は
それほど濃くはないのかもしれない

どうなのでしょう?

最近 流行っている 地政学的見地からは

陸の国であるフランスやドイツ
海の国であるイギリスやアメリカ

明らかに価値観やものの考え方が異なるようで

バラカンさんも

イギリスは
ヨーロッパの国々よりアメリカに対して
より大きな親近感を抱いているのではないか 

と言われていました

イギリスとアメリカの国旗

アメリカとは
充分に深くまで仲良くなれるけれど

ヨーロッパの国々とは
ある一定以上より親しくなるのは難しいのでは?

とのことで

なるほど そうなのだね 
と思いました

一方 もう一人のゲストの英文学者の小林章夫さんは

イギリスは 
産業革命が起きる前までは
ヨーロッパの片隅に位置する
田舎の国に過ぎず

それまではヨーロッパの国々と比べると 
文化も遅れていた

その証拠に
イギリスの良家の子女の卒業旅行は 
グランドツアーと呼ばれる
イタリアやフランスへの 
教養や見分を広めるための旅だった
と指摘され

グランドツアーについて書かれた本

だから イギリスには
ヨーロッパ大陸 特にフランスやドイツに対しては 
複雑な思いがあるのですよ

と言われていました

イギリスはヨーロッパなのか?

この問いの答えを見つけるのは 
なかなか難しそうです

つづく





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