白い貝殻のイヤリング
付けていたのは 誰でしょう? 今を去ること12年前の 夏の懐かしい思い出 こんな書き出しだと なんとなくロマンチックな気配がしませんか? でも 珍しい白い貝殻のイヤリングを付けていたのは 女性ではなくて、、、 いやー 彼のドリブルを最初に見たときは びっくりしましたよ なんとなく不器用に見えて 華麗さは感じないのですが でも 着実に デイフェンス網を突き破っていく EURO 2004 ポルトガル この自国で開催されたサッカー・ヨーロッパ選手権大会で 19歳で鮮烈に世界デビューした彼は 溌剌とした若さあふれるプレーやゴールで 世界中のサッカーファンの心を わしづかみにしました クリスチャーノ・ロナウド! 書き手の印象に残っていたのは 彼が両耳に付けていた 白い貝殻のイヤリング そして 自国での優勝を期待された決勝戦で 武骨でなんのインテリジェンスも感じさせないサッカーをする ギリシャなんかに 1-0で敗れたとき 人目をはばからず ピッチ上で泣きじゃくっていた彼の姿でした たまたま その年の夏休みにマデイラ島を訪れたのですが そこでタクシーの運転手さんと サッカーの話で盛り上がりました この前のEURO 残念だったねと 運転手さんに話しかけたら 運転手さんは この島は クリスチャーノ・ロナウドが 生まれ育った島なのだよ と 教えてくれました そのとき書き手は クリスチャーノ・ロナウドと聞いて 即座には反応できませんでしたが 一瞬 間を置いて あー 白い貝殻のイヤリングの彼? と答えると 運転手さんは そうだ そうだよ! おー はるか遠くの東洋から来た日本人が 我が島出身の若きヒーローのことを 認識してくれているのか! と とても喜んでくれて しばしサッカー談義で 盛り上がったのを憶えています マデイラ島は 大西洋に浮かぶ とてものどかな島で 糖尿病専門医さんは 「ここはヨーロッパのハワイね」 と評されていましたが そんな田舎の島から巣立った彼は やがてマンチェスター・ユナイテッド レアル・マドリードの 大スターとなり 世界最優秀サッカー選手の バロンドールも手に入れ 世界のクリスチャーノ・ロナウドになりました マデイラ島には 今や彼の銅像が立っています もう 白い貝殻のイヤリングは 付けていないけれどね(笑) さて 今年 フランスで開催されたEURO2016 個人的には ご贔屓のオランダが なんと予選敗退で出ていないし スウエーデンも1次リーグで敗退したので 興味薄でしたが ポルトガルは それほど下馬評が高くなかったのに 今や代表チームのキャプテンとなったロナウドの活躍で 準決勝ではウェールズを撃破しました 2004年 自国開催の決勝戦で敗れて以来の ポルトガルの決勝進出 悔し涙を流したルーキーだったロナウドが キャプテンとして ホルトガルが 未だかって一度もなったことがない チャンピオンの座に 導くことができるか? そんな日本人の浪花節的感覚で ロナウドの12年ぶりの決勝を 見ましたよ(苦笑) しかし なんと ロナウドは前半途中で負傷退場してしまいます 悔し涙を浮かべながら 担架で退場するロナウド 運命の神様は意地悪ですね! それでも ロナウドはベンチから先頭に立って仲間を鼓舞し ハーフタイムにはロッカールームで チームの一体感を高める感動的なスピーチをして 延長戦に入るときには 選手一人一人に声をかけてまわったとか その甲斐あってか ポルトガルは開催国フランスの圧倒的な攻撃に耐えながら 延長後半に決勝ゴールをあげ 遂に悲願の世界タイトルを 初めて獲得! ポルトガル代表チームでの優勝を ずっと夢見ていたロナウドも 12年前の悔し涙とは違う 勝利の感慨にふけった男泣きをしていましたね 別にロナウドのファンというわけではないのですが 12年前の19歳の青年の悔し涙を ナマで見ていただけに 世界の大スターとなり 今回 キャプテンとしてチームを率いた彼の うれし涙を見ることができて なんとなく幸せな気分になりました 見聞きしたところによると この12年間でロナウドも 抜きんでたストライカーにありがちな ひとりよがりな立ち振る舞いをせず チームのために行動できるキャプテンに成長したとか クリスチャーノ おめでとう! そして やっと念願のチャンピオンの座を手に入れた ポルトガル おめでとうございます! きっとリスボンの街は 大騒ぎだったのでしょうね! また皆 イワシを食べたのかな?(笑)
高橋医院