夏風邪の治療と予防について解説します

<治療>

夏風邪の治療は 
対症療法が中心になります

相手はウイルスですから
抗生剤は効かず

残念ながら 
インフルエンザのようなウイルスを排除できる薬も
ありません

薬の写真

解熱剤や咳止めなどが処方されますが

腹痛や下痢に対する下痢止めの使用は
注意が必要です

というのも

下痢は
ウイルスを排出するための症状でもあるので
下痢止め薬で便秘になると
症状が長引くことになりかねないのです


<日常生活での対処法>

日常生活での対処法のまとめ

@食事

夏バテと勘違いしやすく 
お腹の調子がよくないのにも関わらず
体力をつけなきゃいけないと 
無理に食べてしまうと
余計に症状がひどくなることがあります

かといって 
何も食べないと体力が消耗して
治りにくくなるので

おかゆなどの消化の良いもの 
手軽に食べられるもので
栄養を補うことが大切です

おかゆなどの消化の良いものの写真


@水分補給

高熱や下痢・嘔吐により 
体内から大量の水分やミネラルが失われるので
しっかりと水分補給することが大切です

水分補給している人

水分補給をするときは 
塩分やミネラルも十分に補給する必要があり
熱中症の解説で紹介した
オーエスワンなどが便利で有効です


@睡眠

夏バテをして体力が低下している時に
ウイルスに感染しやすくなりますし

夏場は熱帯夜が続き
睡眠が浅くなりがちなので

睡眠をしっかりとって 
体力を回復することが重要です

睡眠をしっかりとっている人

<予防>

@免疫力を保つことが肝要です

夏風邪をひかないために大切なのは 
免疫力と体力を保つことで

そのためにも 
バランスの良い食事と十分な睡眠が必要で

*規則正しい生活リズムと食生活

*睡眠の維持

が重要です

免疫力の低下で夏風邪になることを示す図

@手洗い うがいは風邪予防の基本

外出から帰ったら 
すぐに手洗い

そして 
水やうがい薬を使用して
うがいをするように心がけましょう


@タオルを共有しない

冬の風邪は 
主に飛沫感染が多いのに対し

夏の風邪は 
経口感染が多いのも特徴なので

家庭内に
夏風邪を引いている人がいる場合は
バスタオルやトイレの手拭きなどを
共有しないようにしてください


<エアコンの功罪>

@上手にエアコンを使い 体力消耗を防ぐ

体力の消耗を防ぐためにも
エアコンなどで室内を
快適な温度に保つのが重要ですが

エアコンの温度は高めに設定し 
タイマーなども活用するとよいでしょう

但し 冷やし過ぎは禁物で 
26~28℃くらいが最適です

エアコンの温度を調節している人


@夏風邪の原因としてのエアコン

エアコンの効きすぎで 
寒い場所に長時間いると
それがストレスになるだけではなく

既に説明したように
外との気温差に体が慣れず 
体温調整が上手くできなくなり
自律神経が乱れ 
免疫力が低下してしまいます

室内と屋外の温度差が5℃以上あると 
自律神経が乱れがちになりますから
エアコンの設定温度を
低くし過ぎないことが大切です

夏風邪をひかないための注意をまとめた図

また クーラーの効き過ぎている職場では
靴下を履く 
薄手の長袖を羽織る 
膝掛や腹巻などを使用する
などのことをして
冷え過ぎ対策を心がけてください


@寝るときの注意

夏風邪で来院される患者さんの多くが
一晩中エアコンをつけっぱなしにされていて 
朝に調子が悪くなられています

エアコンが作動するときは
空気中の水分も一緒に吸収するので
水分がなくなり乾燥し
寝ている間に 
喉に炎症を起こしやすくなっています

ですから
水を張った洗面器などで湿度を保つ 
マスクをつけるなどの対処や

寝る前にクーラーをつけて
部屋を冷やしておき 
寝る前には切る

タイマーを使う

といった工夫が必要です


クーラーのかけ方の工夫をまとめた図

熱帯夜などで寝苦しいのは事実ですが
エアコンをかけっぱなしにしていると 
体力を削がれ 喉をやられてしまう

ジレンマです

睡眠の質を保つには 
寝入りから3~4時間の間の睡眠が重要なので
タイマーなどで
その間だけ冷えるように調節するのが
いちばん良いと思われます

また扇風機の風が直接当たると 
睡眠の質が落ちるので要注意です


夏の睡眠のポイントをまとめた図


高橋医院