夏の食中毒2
夏に多く発生する 代表的な細菌性食中毒について説明します <サルモネラ>(感染型) 最も頻度が多く 日本の食中毒の1~3割を占めます 自然界の動物の腸内にいる菌で 卵 鳥肉 その加工品が 感染源になります 潜伏期間は8〜48時間で 水溶性の下痢 発熱 腹痛 嘔吐 といった症状が見られます 卵や生肉は10℃以下で保存し 肉の生食は厳禁 卵も生では食べないほうがいいでしょう 75℃で1分以上加熱することで 感染は防げます <腸炎ビブリオ>(感染型) サルモネラに次いで頻度が多い 海水中にいる菌で 水温が高くなる夏に増殖し 増殖速度が速い 感染源は 魚介類やその加工品ですが 原因のほとんどは刺し身です 潜伏期間は12時間程度で 激しい腹痛 下痢 吐き気 嘔吐 を認めます 魚介類は真水でよく洗うこと 10℃以下で保存すること 65℃で1分以上加熱してから食べること を勧めます 刺し身であれば 調理してから2時間以内に食べるのが賢明です <腸管出血性大腸菌>(生体内毒素型) 3番目に多い細菌性食中毒です 主に牛肉をはじめとする食肉に 生息する大腸菌で 食材の加熱が不十分な場合に 食中毒の原因になります 特に生レバーは要注意です 生肉 加熱不充分な肉 サラダ 浅漬けなどの未加熱食品 殺菌が不充分な水 などが感染源になります 感染後 増殖しながら 強力なベロ毒素を作り出すのが特徴で O157 O26 O111 などが有名です 非常に少ない菌で食中毒を起こし 感染力も強く 糞便を介して人から人へ感染します 潜伏期間は4~8日前後で 下痢 腹痛などの 症状がみられますが 乳幼児 高齢者では 溶血性尿毒素症候群 脳炎も起こり 命に関わるほどの重症化することがあるので 注意が必要です 食材の冷蔵保存 加熱処理が 対策として重要です <黄色ブドウ球菌>(毒素型) 健康な人や動物の 皮膚や粘膜に常にいる常在菌で 100℃で30分加熱しても壊れない エンテロトキシンという毒素を 持っています また 塩分がある程度高くても増殖します 感染源は 弁当 おにぎり 生菓子など 長時間 室温で放置された食品です 潜伏期間は3時間程度で 食べてすぐに 激しい吐き気 嘔吐 腹痛 下痢 発熱 ショック症状 を呈します 調理する人が 手を洗って清潔にすることが大事で 手が荒れていたり 手に傷があったりする場合は グローブを使用します 顔や髪にも菌はいるので マスクや帽子を着ければより安全です 加熱に強い菌で 調理者の手から食材につくことが多いので 十分な注意が必要です <カンピロバクター>(感染型) 多くの動物が持っている ありふれた菌ですが 少ない菌数で食中毒を引き起こすので 注意が必要です 感染源は 生や加熱が不充分の鶏肉 が多く レバー サラダなどの 未加熱食品でも起こります 潜伏期間は2〜7日で 発熱 めまい 頭痛 筋肉痛 ついで 吐き気 水溶性の下痢 粘血便 腹痛 などの症状が出現してきます 75℃で1分以上加熱することで 感染は防げます 但し 生の鶏肉などに触った手で 生食するサラダ用の野菜などに触れると 2次感染するので よく手を洗ってから別の食材を扱うようにします <ウエルッシュ菌>(生体内毒素型) 酸素のない状態でのみ増殖し 食品中で毒素を作ります カレー シチュー 煮物 スープなど 大鍋で大量に調理された食品が 感染源になります 潜伏期間は4~12時間で 下痢 腹満感 腹痛が生じます 夏は 作り置きのカレーやシチューは 必ず冷蔵庫で保管するようにして下さい このように 感染源となる食材は ナマ肉 レバー 刺身 作ってから長時間たったもの が多いので 充分に注意する必要があります
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