中央区・内科・高橋医院の
食事と健康に関する情報


当院に 肥満 糖尿病 脂質異常症などで
相談に来られる患者さんが
共通して悩まれていること

それは 食欲をコントロールできない こと

気をつけていても 
ついつい食べてしまう

食べるのを止められない人

どうしてヒトには 食欲が生じて
ときとして 
それをコントロールできないのでしょう?

その謎に迫るため 
食欲に関する解説をしていきたいと思います


<どうして食べたくなるか?>

まず 根本的な疑問ですが

どうして 食べたくなるのでしょう?

それは ヒトが動物だからです!


我が家のネコさまは 
朝になると 必ず食事を要求されます

動物は 
体内のエネルギーレベルが低下すると
脳がそれを察知して 
お腹が減って食欲が起こります

だから めしを早く準備するニャ~! と 
鳴いてリクエストされる

エサを求めるネコ

ヒトも同じです

ヒトも動物だから
エネルギーが足りなくなると 
脳がそれを察知してお腹が減ってくる

これはまさに 本能です!


では 
脳はどうやって
エネルギーレベルの低下を感じて
それが 
どのようにして食欲につながっていくか

そのメカニズムが 詳細にわかってきました

 
<ヒトは 食に快楽を求め 依存してしまう>

一方 
ヒトは動物とは違う面も持っていて
食欲にも そうした”ヒトらしさ” があらわれます

それが 食に快楽を求める性質 です

動物は
あくまで生命活動を維持するために 
食欲を感じてモノを食べますが

ヒトはそれ以外に 
快楽を得るためにも食欲を感じるのです


そして 
快楽を得るための食欲には 
かなり煩わしい側面があります

本能を越えた食欲なので

体内のエネルギーレベルと関係なく 
必要以上に食べてしまったり

意志の力を越えて 
依存性が生じてしまったりする


食欲への依存性が生じてしまった人

動物では 
こんなことはあり得ません

エネルギー不足を補うに必要な量の
食物が食べられれば
それ以上 食べることはありません

でも ヒトは違います

快楽を得るために 
食べ過ぎて
そして太って 
糖尿病や生活習慣病になっていく

全くヒトは 
なんて厄介な生き物なのでしょう?(笑)


<食欲を調節する脳内システム>

動物に共通する本能である 
生命活動を維持するための食欲が起きる機序
@恒常性調節系
 メタボリックハンガー調節系 
と呼ばれます

それに対して 
ヒトに特有な 
快楽を得るために起こる食欲の機序

@報酬系(快楽性)調節系
 ヘドニック調節系 

と呼ばれます


ヒトの食欲は この

*恒常性調節系 
 Homeostatic functions と

*報酬系(快楽性)調節系 
 Reward(hedonic) functions の

2本立てで 調節されています

恒常性調節系 報酬系(快楽性)調節系の2本立ての食欲調節を説明する図

そして 
脳内で調節が起こる場所や 
起こる機序は
恒常性調節系と報酬系(快楽性)調節系では 
異なります

また 
恒常性調節系と報酬系(快楽性)調節系は
互いに密接に関連しています

恒常性調節系 報酬系(快楽性)調節系の相互作用を説明する図

近年の脳科学研究の進歩により
こうした食欲の調節機構が 
かなり明らかになってきました

これから 説明していきます
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