2017年・インフルエンザワクチン
昨年のインフルエンザの流行の様子を 解説しましたが 今年もいよいよ インフルエンザのワクチン接種が開始されます そこで ワクチンについて復習も兼ねて 再度説明します インフルエンザワクチンを接種してから その効果が発現するまでに 約2週間かかります 体の免疫系がワクチン成分に反応して 体内に抗体を作成するのに 2週間ほどの時間を要するからです インフルエンザの流行は 例年11月中旬~末頃から始まりますが 年によっては 11月に入ってすぐに流行することも ありますから 10月中旬から 遅くとも11月中旬までには 接種した方が安心です ワクチンの効果は 約5か月間持続しますが 接種後5か月すると 50%の人で 抗体が有効水準以下になってしまいます ですから 去年ワクチンを接種したので 今年はしなくても大丈夫! というわけにはいきません ましてや 流行するインフルエンザウイルスの亜型は 年によって異なるので 毎年新たにワクチンを接種する必要があります インフルエンザワクチンに どのような種類のウイルス亜型成分を組込むかは 日本では 国立感染症研究所が厚労省の依頼を受け決定します 世界的見地からの 世界保健機構(WHO)の推奨や 日本での昨年の流行動態 抗体保有率などを 参考にして そのシーズンにどのような亜型が 流行するか予測して ワクチンに用いるべきウイルス亜型が決まります 今年のインフルエンザワクチンには *A/シンガポール/GP1908/2015 (IVR-180)(H1N1) pdm09 *A/香港/4801/2014 (X-263)(H3N2) *B/プーケット/3073/2013 (山形系統) *B/テキサス/2/2013 (ビクトリア系統) の4種類のウイルス亜型が用いられます 日本人が これらウイルスの感染リスクを下げるのに 充分量の抗体をどれくらい保有しているか 昨年末に調査したところ A型では A(H1N1)pdm09亜型 A(H3N2)亜型ともに 30歳以降の中高年層で抗体保有率が低く また各年齢層ともに A(H1N1)pdm09亜型よりも A(H3N2)亜型の方が 抗体保有率が低いことがわかりました 一方 B型では 山形系統 ビクトリア系統ともに A型に比べて抗体保有率が低く やはり30歳以降の中高年層で その傾向が著明なことがわかりました 前回 説明しましたように 今年はAH1pdm09亜型 シーズン終盤にはB型の流行が予想されますから 特に それらに対する抗体保有率が低い 30歳以上の方は ワクチン接種を受けられることを お勧めします 残念ながら ワクチン接種したら 絶対にインフルエンザにならないわけではありません 統計によると ワクチンの効果は70~80%と言われていますが ワクチンを接種しておけば たとえ感染しても 症状が軽くてすみ 重症化を防げますし なにより会社や仕事を休まなければいけなくなる リスクが減ります 高齢の方や 糖尿病 呼吸器 循環器の病気などで 治療されている方は 感染のリスクが高いことから 是非お受けください また 妊婦さんや授乳中のお母さんも ワクチン接種をお勧めします 妊婦さんは 赤ちゃんへの安全性の面から 抗インフルエンザ薬を服用しにくい場合があるので 余計に予防接種が推奨されますし 授乳中でも予防接種は問題なく行えます 当院でのインフルエンザワクチン接種は 10月2日から開始しています 既に一昨日も昨日も 接種に来られた患者さんがおられました 接種費用は昨年同様 税込み3200円 です 今年度のワクチンの生産量 供給量は 昨年と同様~やや少なめとの情報が 厚労省・医師会等から伝達されています ですから 感染リスクが高い方は 早目に接種された方が良いですし 13歳以上の方には 適切に1回のみの接種が勧められています 当院では 昨年とほぼ同数のワクチン確保を予定していますので 昨年接種され今年も接種を希望される方 今年から新たに接種をご希望の方は お早めにお問い合せ下さい 不明なことがあれば 遠慮なくお問い合わせください
高橋医院