ソフィア・コッポラ演出の 
ラ・トラヴィアータ 椿姫

ソフィア・コッポラ演出の椿姫のポスター

椿姫そのものを見るのも
久し振りでしたが 

良かったです!!

あ 映画鑑賞にお約束のこちらも 
忘れずに!

ポップコーン

これは ローマ歌劇場では 
楽しむことはできませんよ!(笑)

ローマ歌劇場の内部の写真

まあ ヴェルデイさまの
ストーリーも音楽も鉄板なので
敢えて新たなアレンジのしようがありませんが

際立っていたのは 舞台装置の美しさ!

第1幕

ヒロイン・ヴィオレッタと
相手役のアルフレードが知りあうサロンでは

舞台中央から上手に設置された 
大きならせん階段が印象的でしたし

舞台中央から上手に設置された 大きならせん階段

第2幕の前半

パリの喧騒を離れ
ヴィオレッタとアルフレードが
愛の日々を暮らす別荘の場面では

開放的な全面ガラス張りの空間が広がり
後景となる窓の外の田園風景が 
とても美しい

開放的な全面ガラス張りの空間と後景となる窓の外の田園風景

一方 第2幕の後半

アルフレードの父親から
息子との離縁を要求され
苦悩のうちにそれを受け入れたが故に
偽りの拒絶の態度を
アルフレードに示すヴィオレッタに

真相を知らぬアルフレードが
札束を投げつけるという 
酷い仕打ちをする 
舞踏会のシーンは

札束を投げつける舞踏会のシーン

黒でまとめられた 
シンプルかつ洗練された空間に
3基のゴールドのシャンデリアが燦然と輝き
荘厳な雰囲気すら感じさせました

3基のゴールドのシャンデリアが燦然と輝く舞台

この空間に
ヴィオレッタが
鮮やかな深紅のドレスを纏って登場するシーンは
思わず息を呑みましたよ!

ヴィオレッタが鮮やかな深紅のドレスを纏って登場するシーン

そして 第3幕

ヴィオレッタが 
真相を知って戻ってきた
アルフレードの愛を得ながら
結核で短い生涯を閉じる
エンデイングが繰り広げられる
ヴィオレッタの寝室

ヴィオレッタの寝室のシーン

深い黒と青の世界 
中央に広がる窓の外の青い薄明り

まさに シンプル で エレガント です

シンプルでエレガントな映像

さすがは ヴァレンチノ
息を呑むような美しい世界を作り上げられて 
お見事でした

最近つくづく思いますが

シンプルなエレガントさこそは 
美しさの極み 
ではないでしょうか?

ソフィアとヴァレンチノ 

さて ソフィアの演出は
それほど斬新でユニークなものでは
ありませんでしたが

それこそ 
シンプルで洗練された雰囲気は 
心地よく感じました

そもそも 
ヴェルデイの充分に完成された世界ですから
演出家が独自の新たな解釈を挟み込む余地は 
あまりないのかもしれません

ソフィア自身は インタビューで 
オペラ初演出について

映画は 
パーツごとに細かく作り上げて 
それを合成していく手法なのに対し

オペラは 
舞台の上に一気に世界を作り上げる手法なので
その違いが面白かった

と 語っていたようです

語るソフィア

なるほどね 

言われてみれば 当たり前だけど

映画監督と舞台演出家
そういう根本的な手法の違いがあるのですね

でも その違いは 
かなり大きなものですよね

彼女自身は 
どちらが面白いと思ったのかな?


ということで 
個人的には とても面白くて
ヴェルデイ コッポラ ヴァレンチノの
コラボの世界に
しっかりと惹き込まれて埋没した2時間弱でした

観終わったあとに
なぜか ルキノ・ヴィスコンテイの映画を
見たくなりました

イタリア芸術の 
まさに総合力を見せつけられた! 

というところでしょうか?

ローマ歌劇場でのソフィアとヴァレンチノ

さて 2018年9月 
ローマ歌劇場がこの演目で日本に来るようですが

うーん チケットは高いだろうけれど
ナマで見聞きしてみたいから 
行っちゃうかも(笑)

そうそう 最後に 
いつも椿姫を観て思うのですが

このストーリーで何気に興味深いのは
ヴィオレッタとアルフレードの仲を引き裂く 
お父さんの立場で

もちろん 
あくまでヴィオレッタとアルフレードの
悲恋物語なのですが

お父さんの心境を 
更に深く掘り下げるような演出はできないのかな?

お父さんとヴィオレッタのシーン

あるいは そ
こにフォーカスをあてた内容の 
新・椿姫 とか
どなたか作られませんかね?


映画が終わったあと
余韻に浸りながら 
夜の日本橋を歩いて帰りましたが

日本橋のライトアップがきれいでした!

日本橋のライトアップ


高橋医院