健康づくりのための睡眠指針2014・睡眠12箇条

最終回です

健康づくりのための睡眠指針2014・睡眠12箇条 のポスター

9. 熟年世代は 朝晩メリハリ 昼間に適度な運動で良い睡眠

@高齢になると 
 若年期と比べて必要な睡眠時間が短くなる

@寝床で長く過ごしすぎると 熟睡感が減る

*寝床に就いている時間は 
 生理的な睡眠時間を大きく超えないことが重要

*長い時間眠ろうとして
 寝床で過ごす時間を必要以上に長くすると
 かえって睡眠が浅くなり 夜中に目覚めやすくなり
 結果として熟睡感が得られない

*9 時間以上寝床にいる人は
 9 時間未満の者と比べて
 中途覚醒をおこす割合が高い

@適度な運動は睡眠を促進

*週に5 日以上の身体活動が 不眠の発生を抑制する

*昼間の覚醒の度合いを維持・向上し
 睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけることに役立つ

*主に中途覚醒の減少をもたらし 
 睡眠を安定させ
 結果的に熟睡感の向上につながる

世代別の睡眠に関する問題をまとめた図

10. 眠くなってから寝床に入り 起きる時刻は遅らせない

@眠たくなってから寝床に就く 就床時刻にこだわりすぎない

*就寝する2〜3 時間前の時間帯は
 一日の中で最も寝つきにくい時間帯

*眠れない人の多くは 
 望ましい睡眠時間を確保するため
 目覚めなければいけない時刻から逆算して
 寝床に就く時刻を早めに設定しがちだが

*意図的に早く寝床に就くと
 かえって寝つきが悪くなる

@眠ろうとする意気込みが 頭を冴えさせ寝つきを悪くする

*不眠のことを心配することで 不眠が悪化する

*眠れないときは いったん寝床を出て
 リラックスできる音楽などで気分転換し
 眠気を覚えてから 
 再度 寝床に就くようにするとよいでしょう

*寝床に入る時刻が遅れても 
 朝起きる時刻は遅らせず できるだけ一定に保つ

*朝の一定時刻に起床し太陽光を取り入れることで
 入眠時刻は徐々に安定していきます

@眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

*必要以上に長く寝床で過ごすと さらに眠りが浅くなり
 夜中に何度も目覚めるようになる

*対処としては 積極的に遅寝・早起きにして
 寝床で過ごす時間を適正化することが大事

シニア世代の睡眠の問題をまとめた図

11. いつもと違う睡眠には要注意

@睡眠中の激しいいびき・呼吸停止
 手足のぴくつき・むずむず感 歯ぎしりは要注意

*睡眠時無呼吸症候群

*ストレスレッグ症候群

*周期性四肢運動障害

これらの病気があると
一定時間眠っても休息感が得られず 
 日中に異常な眠気をもたらす

@眠っても日中の眠気や居眠りで困っている場合は専門家に相談

*うつ病は 
 寝つきが悪く 早朝に目が覚めたり
 熟睡感がないなどの特徴的な不眠を示す

*こうした特徴的な睡眠障害を
 初期のうちに発見し適切に治療することは
 うつ病の悪化を予防することにつながる

睡眠障害の分類を示す図

12. 眠れない その苦しみをかかえずに 専門家に相談を

@専門家に相談することが第一歩

@薬剤は専門家の指示にしたがって使用する

*医師に指示された用法や用量を守り
 薬剤師から具体的な服薬指導を受けることが重要です

*お酒と睡眠薬を同時に飲むと
 記憶障害 もうろう状態等が起こる可能性があり危険です

睡眠薬の間違った使い方を示す図

ということで
睡眠・覚醒のメカニズム 不眠症 について 
解説してきました

当院にも 
不眠の悩みで相談に来れらる患者さんは
多くおられます

それぞれの患者さんの状況を詳しくお聞きして

まずは 生活習慣の改善で押すか?
それとも睡眠薬を処方するか?
処方するとしたら どのタイプの睡眠薬か?

個々の患者さんと 
説明 相談しながら決めていますので
心配な方は 気軽に相談にいらしてください


 

高橋医院