日常生活での対処
自律神経失調症の根本的な治療は *原因となる不規則な生活習慣を 改善するとともに *ストレスに対して上手な対処をすること です 薬物は 症状を和らげているに過ぎませんから 日常生活での対処が 自律神経失調症の治療の 王道とも言えます <生活習慣の改善> 乱れた不規則な生活パターンを 見直すことが 第一歩です 現代社会では 多くの方が *睡眠時間 食事時間が不規則 *運動 休養が足りない といった日常生活を送られ それがストレスの原因になっています @睡眠 体内時計が狂うと 自律神経の働きも乱れます 既に説明したように 体内時計の調節も 視床下部で行われていますから そこが狂うと 同じ視床下部で調節されている 自律神経バランスも 狂ってしまいます 不眠の解説でお話しましたように 太陽の動きと連動して 早寝早起きを心掛けることが大切です @運動 運動するとイライラが解消され 精神的にもリフレッシュできますから 日常生活のなかに 運動習慣を取り入れることが重要です 有酸素運動(早歩き ジョギング 水泳など)と 無酸素運動(筋トレ ストレッチなど)を うまく組み合わせて 自分の生活パターンにあった 運動習慣を作ってください @休養 オン・オフをはっきりさせて 上手に休養をとって リフレッシュすることが大切です 仕事中のリフレッシュ 仕事のあと 週末のリラックスを 心掛けてください @栄養 朝 昼 夕 3食きちんと規則正しく食べて 偏りのない栄養素の摂取をすることが 肝要です ストレスが多いと ビタミンB群 C群の消費が増えるので ビタミン補給には気を配ってください ビタミンB群は 神経の働きを正常に保つ働きがあり 豚 魚 穀物 豆類などに 多く含まれています B1は 中枢 末梢神経の働きを正常に保ち 足りないと だるい 疲れやすいといった症状が現れます B6は セロトニンなどの神経伝達物質の合成に関わり 足りないと 気分のふさぎこみが生じます B12は 神経細胞内のタンパク質 核酸の合成 神経細胞の修復に関わり 足りないと 手足のしびれ 気分の不安定が起こります ビタミンC群は ストレス対抗ホルモン・コルチゾールの 合成に関わり 果物 野菜に多く含まれています ビタミンEは 女性ホルモンの黄体ホルモンの合成に必要で ナッツ類 植物油 魚 カボチャ アボガドなどに 含まれていますから 女性の更年期障害の際は それらの食材の積極的な摂取が望まれます さらに イソフラボンは 女性ホルモンに似た構造と働きをするので 更年期障害では イソフラボンを多く含む 大豆などの豆類の摂取もお勧めです <ストレスへの対応> ストレスの感じ方 とらえ方 ストレスに対する抵抗性は 人によって異なりますから ストレスがあったときの 自分の反応を客観的に観察して 自分のストレス耐性を知り それにあった ストレスとの付き合い方をする必要があります @心構えとしては *ストレスを自覚する 自覚できていないと 気付いたときにダウンするリスクがあります *現在の自分の状態を冷静に見つめて ありのままを受け止める *時間が解決すると 気長に構える *深く考えすぎず楽観的になり ポジティブ・シンキングに徹する *自分に自信を持ち 自分のペースを貫く *やれるところまでやって あとは開き直る *自分ひとりで抱え込まない *完璧主義を捨てて マイペースで開き直る @対処法としては *言いたいことを言葉にして言う *感情を無理に抑えず 素直に出す *人間関係を円満にする ・相手を理解し 自分を知る ・相手の話をきちんと聞く ・Yes Noをはっきりと ・思いやりを忘れない ・自分の価値観を持つ ・問題を後回しにしない *オンとオフを上手に切り替える ・オフの日も朝寝坊をせず リズミカルに過ごす ・オフの日には 外出 スポーツ 趣味などで 気分転換して楽しむ *体を動かして汗をかく *趣味を持つ *音楽を聴く *時間に追われずスローライフを心掛ける こうして意識的にリラックスして 交感神経優位に傾きがちな 忙しい現代生活のなかで 副交感神経を働かせて バランスをとるようにするのが大切です
高橋医院