花粉症の薬で厄介なのは 
副作用で眠くなることです

どうして 眠くなるかというと

脳のなかにも
ヒスタミン受容体が存在していて
抗ヒスタミン薬がそこにも作用すると 
眠くなってしまうのです


抗ヒスタミン薬が脳に作用すると 眠くなることを示す図

抗ヒスタミン薬には 
さまざまな種類のものがありますが

薬によって 
脳内のヒスタミン受容体への結合率が異なります

結合率が

*50%以上だと 
 眠気がとても強くなる(鎮静性)

*20~50%くらいだと 
 そこそこの眠気ですむ(軽度鎮静性)

*20%以下だと 
 眠気は軽くてすむ(非鎮静性)

薬の種類による脳内のヒスタミン受容体への結合率を示すグラフ

昔 よく使われていた第1世代の抗ヒスタミン薬は
脳内に高率に移行して 
受容体との結合率も高かったので
かなりの眠気がありましたが

現在 主に使用されている 
第2世代の抗ヒスタミン薬
脳内移行率が低いので 
第1世代より眠気は少ないのが特徴です


しかし 第2世代の抗ヒスタミン薬でも
薬によって眠さは異なってきます

理想的な抗ヒスタミン薬は

*速効性があり 効果が持続する

*眠気などの副作用が少ない

*長期投与でき 1日の投与回数が少なく 飲みやすい

といった条件を満たすものですが


一般的に 
効果が強い薬は 眠気も強い傾向があります

たとえば 
アレグラ クラリチン エバステルなどは
眠気は軽いけれど 効果はもうひとつで

アレロック ザイザル ジルテックなどは
効果はとても強いけれど 
眠気もかなり出てしまう

その中間の 
効果はそこそこで 眠気もそこそこ なのが
タリオン アレジオン 

各薬剤に そのような特徴があります

さまざまな薬の強さと眠気の関係を示した図

ですから 
患者さんに花粉症のお薬を処方するときに
効果の高さを重視しますか? 
眠気の少なさを重視しますか?
と うかがって 
薬の種類を決めることあります

患者さんのニーズに応じた薬の選び方のチャート図

ところが 
ここ数年で新たに処方できるようになった
後期第2世代の抗ヒスタミン薬は
効果もあり 眠気も少ないという 
理想の薬に近づいてきました

デザレックス ピラノア といった薬ですが

実際に処方していて 
患者さんたちの評判も上々なので
状況が変わってきたなという感じがしています

新しい薬の特徴を示した図

これまで 他の薬を飲んでいたけれど
眠気に困っていた 
効き目がもうひとつだったといわれる方に
これらの薬を服用していただいた場合も好評です

抗ヒスタミン薬の治療の世界が 
少し変わってきている感すらあります

さまざまな薬の強さと眠気の関係を示した最新図

これまで服用していた薬の
効果の悪さや 
眠気などの副作用で悩んでおられる方は
相談にいらしてください
高橋医院