原石探し
世界の名だたるバレエ学校の 現役生徒たちの競演 そんな面白い企画を楽しんできました 企画されたのは あの 熊川哲也さん 不勉強な書き手は 熊川さんの踊りや監督された舞台を 拝見したことはないのですが この企画には興味を持ちました 熊川さんがこの催しを主宰された意図は ご自分が若き頃の バレエを学ぶなら外国でなければダメ という時代と異なり 今では日本のバレエ学校も 実力をつけてきたし 外国で学んだあとに 日本のバレエ団を選択して活躍する人も増えてきた 外国も日本も 本物しか残らない時代 そんな時代だからこそ 敢えて 出来上がったダンサーでなく 日々 バレエ学校で切磋琢磨している 世界の若者たちを一堂に集めて その様子を 日本の若者に見てもらって 世界レベルでの自分の位置を 確認してもらいたい ということのようです どうりで 会場には若い人たちがとても多い 20歳以下を対象にした 各バレエ学校のオーデイションも行われるそうで なかなか面白い企画です でも そうしたことを望むべくもない オヤジの楽しみはというと 原石探し でしょうか?(苦笑) これからスターダムに昇りつめていく 可能性がある若者の見定め? うーん ホントにオヤジ臭いですね(再苦笑) ちなみに 席は 2階 2列 22番 図らずも ネコ好きの専用席?(笑) で 参加された世界のバレエ学校は *ロシアの ワガノア・バレエ・アカデミー *ウイーン国立歌劇場バレエ学校 *カナダ国立バレエ学校 *ドイツの ハンブルグ・バレエ学校 *オランダの ハーグ王立コンセルヴァトワール *オーストラリアン・バレエ・スクール フランスやイギリスの学校がないのは ちょっと寂しいかな? それぞれの学校では 小さい子供から10代後半の若者まで さまざまな年代のクラスがあって バレエ教育を深めているのですね そういえば日本でも 町中のバレエ教室はよく見かけます で 前後半1時間ずつ 各学校の選りすぐりの生徒さんたちが それぞれオリジナルの演目で 日々の鍛錬の成果を披露されたのですが さすがに若い学生さんたちだけあって 普段見るプロのダンサーさんたちが作る世界とは ちょっと異なります(笑) 個々人の技術はしっかりされているのでしょうが まあ 間違いなく踊ることに一生懸命で なかなか余裕は見せられませんね それから 群舞になると 仲間との距離感のとり方が上手くいかず 舞台全体の統一感が無くなってしまう 自分の踊りに一生懸命で そこまで気が回らないのでしょうか? そんななか 凄かったのが ワガノア さすが1738年創立の ロシアの名門だけあります! なんと 入学の競争率は65倍を超えるそうな! 4人の女性が踊る フローラの目覚め は 美しいの一言! もう いつでもデビューOKです! という感じで びっくりしました こういうのを 栴檀は双葉より芳し と言うのでしょうか? でも そんな素晴らしかった彼女達をしても 別の演目では 決めのポーズでちょっとこけちゃったりして 図らずも若さを見せてくれたのは ご愛敬?(笑) プログラムには 各国のダンス事情の解説が記載されていましたが ロシアのバレエは 18世紀になってから始まったので ルネサンスから始まった フランス イタリア デンマークのバレエの 後塵を拝しましたが 逆に 先行する各国のバレエをよく検討して 良いとこどりをしたので 古典作品を最高に見せるメソッド・スタイルが 確立できたそうです なるほどね 確かに ロシアの古典バレエは美しいし 観ていて安心感があります 歌舞伎のような 伝統芸能的な感じかな? 一方で ノイマイアーさんが率いる ハンブルグ・バレエ学校の舞台も 印象に残りました 最近 ノイマイアー教に はまりつつありますからねぇ(苦笑) とにかく 彼のコンテンポラリー的な統一されたスタイルとともに 心理的 情緒的な表現を行おうというスタンスを きちんと各ダンサーが体現しているので 古典を見るのとは異なる意味での 安心感がありました オーストラリアの アクティブで身体を強調したダンス ハーグの 宗教性を感じさせるようなオリジナルな表現も それぞれ印象に残りました 学校の個性というものは 大きいですよね 指導陣が バレエというものを どのように捉え それをいかにして若者たちに 伝えていこうと試みているか 学生さんたちのダンスに それが見事に表現されているように思いました 今回 観ることができた原石たちが この後 どんなに輝いていくか楽しみです ちゃんと 名前を憶えておかないと!(笑)
高橋医院