禁煙後に起こる問題
禁煙によって起こってくる問題もあります <食欲が増え 体重が増える> いちばんの問題で 特に糖尿病や生活習慣病がある方には 厄介です 約8割に見られ 平均2Kgは増えるとされていますが もっと増えてしまう方は少なくありません ヘビースモーカーだった方は より増加しやすいと言われています 実際に 体重増加が禁煙導入の妨げとなること 再喫煙の原因になることは よくみられることで 特に女性では 以前に禁煙しようとして体重が増加した人は 体重コントロールのため 喫煙を再開してしまう傾向があります しかし 禁煙2年目以降にさらに増加する傾向はなく 血糖値や中性脂肪の悪化も一時的 というデータが報告されています また 禁煙によって体重が増加する場合でも 内臓脂肪の沈着は少ないとされています 禁煙後に太る原因として *離脱症状の一症状としての食欲増加 *味覚の改善による食事量の増加 *禁煙に伴う口寂しさに対しての 代償的な食物摂取量や食事回数の増加 *胃粘膜微小循環系血行障害の改善 *安静時エネルギー代謝率 安静時ならびに運動時エネルギー消費量を 増加させていたタバコ煙中のニコチンの消失 などが考えられています 太った方には 以下のように説明して 理解 納得してもらうようにします *禁煙後の体重増加は一般的なもので 自己制御の結果である *禁煙して食べ物がおいしい 食欲が進むことは 悪いことではなく良いことである *“喫煙により無理に体重減少していた状態”から 本来の自分の体重に戻ることである との認識を促し 肯定的にとらえるようにする *禁煙による体重の増加は 喫煙によるリスクより はるかに小さいことを強調する そして 禁煙を続けられる自信がでてきたら 食事と運動で徐々に体重を減らすようにします まだ禁煙が不安定な時期に 無理に食事制限をすると タバコを吸いたくなってしまうことがあるので 要注意です <睡眠障害> 禁煙にともなって出現する睡眠障害には *覚醒作用のあるニコチンの減少 消失に伴う昼間の覚醒状態の低下 *ニコチンパッチの24時間使用による 夜間の睡眠障害 の2 つが考えられます 前者は ニコチン代替療法によって改善でき 後者は ニコチンパッチの夜間使用中止 によって改善できます <陰性な気分またはうつ状態> 多くは ニコチン離脱症状に伴う一時的なものです うつ症状が出現する場合は 十分な量のニコチン代替療法を 十分な期間にわたって使用することにより 症状を軽減することができます <強い禁断症状の持続> 喫煙意欲や禁断症状が持続する場合は 薬物療法(ニコチン代替療法)の導入 について検討します
高橋医院