冷凍庫で凍る酒 凍らない酒
冷凍庫に入れて凍るようなお酒は お酒とは言わないよ! 左利きは酔っぱらうと ときとして そんな風にうそぶくことがあります ビールや缶チューハイを飲みたいけれど 冷えていない そんな時に 速く冷やそうとして冷凍庫に入れて そのことを忘れていて あとで冷凍庫からカンを取り出すと ガチガチに凍っている はい そんな冷凍庫に入れて凍ってしまうような飲み物は お酒とは言わないのです(苦笑) お酒が冷凍庫で凍るかどうかは アルコール度数によります 普通のお水は 0度で凍ります しかし お酒の主成分であるエタノールは0度では凍らず アルコール度数によって 凍る温度が規定されます では お酒は何度くらいで 凍るのでしょう? よく言われているのが アルコール度数にマイナスをつけた温度で凍る ということ ビールのアルコール度数は 4~6度 ワインは 10~14度 日本酒は 12~18度 焼酎は 25~45度 ウィスキーは 35~55度 ジンやウォッカは 40度以上 それぞれにマイナスをつけた温度が そのお酒が凍る温度です 一般的に 家庭用冷蔵庫の冷凍庫の温度は マイナス18℃とされていますから ビール ワイン 日本酒などは 冷凍庫に入れると凍る 一方 焼酎 ウィスキー ジンやウオッカなどの アルコール度数が高いお酒は 冷凍庫に入れても凍らない 左利きが 冷凍庫に入れて凍るようなお酒は お酒とは言わないよ と うそぶくのは 冷凍庫で凍るようなアルコール度数の低いお酒は お酒ではないよ と 強がって(?)いるわけです(苦笑) 実は このうそぶき 書き手のオリジナルではありません 書き手が若き日に留学していた頃 夜遅くまで同僚と夕食もとらずに実験をしていて あ~ お腹減ったねと嘆きながら 二人で夜道を帰路についたのですが うーん 家に帰っても 冷蔵庫にはビールくらいしかないかも と 書き手が言うと スゴイ酒豪だったコロンビア人の同僚が 冷凍庫に入れて凍るような酒は 酒じゃないよ 大体 ビールは明るいときに飲む酒だよ と ポツリと語ったのです どうしてあのシチュエーションで 彼がそんなことを語ったのかわかりませんが その瞬間を妙に覚えていて(笑) それ以来 彼の一言を よく使わせていただいています 彼 ウーゴ という名前の寡黙な研究者でしたが 元気にしているかな? ちなみに ビールと蒸留酒にまつわるお話では こんな面白いものもあります 書き手がアムステルダムのバーで オランダ名産のジュネバ(ジン)について 勉強(?)していたとき カウンターに居合わせたおば様たちと 会話が弾んで ひょんなことから お互いの年齢当てクイズになりました で 彼女達のひとりが 私はまだティーンよ なんて言うのですよ どうみたって50歳は超えているのに(笑) そうなんだ でもティーンなら アルコールはダメなんじゃないの? と ちょっと意地悪な質問をしたら 私たちの国では 蒸留酒は20歳を過ぎないとダメだけど ビールは18歳からOKなのよ なんて 見事な切り返しをされて 冷凍庫で凍るお酒なら 18歳過ぎればOKなのですね?(笑) 実際に お酒を飲んで良い年齢を 蒸留酒と醸造酒で区別している国があって たとえばドイツでは ワインは16歳からOKだけど スピリッツなどの蒸留酒は 18歳からでないとダメ だそうです 当院に来院された ドイツ人の患者さんから うかがいました なるほどねえ お酒の文化 ホントに奥が深いです
高橋医院