農業革命と産業革命により ヒトの生活環境 食環境は
食物に渇望する環境から飽食の環境へと 大きく変化しましたが

それ以前の700万年の歴史で
飢餓に備えるために栄養を蓄える体質を有していた人類は
新たな飽食な環境に対応できず ミスマッチ病が蔓延し始めます

では 具体的に食はどのように変化し
それが身体にどのような影響を及ぼしたのでしょうか?

最初の類人猿は 果実で腹を満たしていました

mism21

しかし 気候変動 乾燥化により アフリカでは森林が減ってきて
豊富な果物がなくなり 食事環境が変化しました

森林を出て 草原で生活するようになり
果物以外の木や植物の葉や茎も 食べないといけなくなったのです

そして400万年前に
木の茎などの 固い繊維質の食物でも食べられるヒトの祖先が
自然選択で生き残るようになりました

mism22

やがて人々が狩猟を行うようになると
植物が食事の大半になり 狩猟により肉もたまに食べるようになりました

ここで 腸と脳のトレードオフ という現象が起こります

mism23
mism24

腸が小さくなり その代わりに 脳が大きくなっていったのです

狩猟時代になり肉を食べるようになると
それまで繊維の多い食物の消化のため大きな負担を強いられていた
腸の役割が減少し
エネルギーが腸でなく脳で使用されるようになります

こうして

腸の代わりに 脳が大きくなり始めたのです

mism25

興味深いことに
そうした変化にともない
ヒトの身体は 多量の脂肪を貯めこめる身体になっていくのです

そうなった原因は こういうことです

脂肪はグラム当たりのエネルギーが他の栄養素より高いので
脂肪の蓄積は エネルギーを溜めるのに最も効率的な方法ですが

mism27

発達し始めた脳が 常に多量のエネルギーを要求するので
身体は脂肪を豊富に蓄える必要性が出てきたのです

しかし狩猟で動物を仕留めることはそう頻繁ではないので
肉や脂肪が得られる機会はそんなに多くありません

mism28

ですから

脂肪を得られるときは
それを体内に出来るだけたくさん蓄えることができるように
ヒトの身体は 進化 適応し始めたのです

倹約遺伝子が選択されました

また 脂肪の蓄積で体内のエネルギーが豊富な状況になると
脳が発達するだけでなく 繁殖にも有利になります

繁殖は 進化の方向性を規定する一番重要なことですから
そこに有利に働く 脂肪を溜めこむような変化は
まさに自然選択される進化にほかなりません

他の動物より優位に立てる脳の発達を促し
最も重要な繁殖の面でも役に立つ

そんな 脂肪をできるだけ多く貯蔵できる身体になるように
倹約遺伝子が石器時代に選択されたわけです

mism29

しかし そのことが 現代では仇になってくるのです

 

高橋医院