NHKの美の壺 
銀座特集では
もうひとつ 
とても面白い話題を紹介していました

それは 銀座の柳

銀座の柳の写真

昭和初期に流行した
西条八十が作詞した
銀座にまつわる歌謡曲には

江戸のなごりの うすみどり

という歌詞があるそうです

江戸のなごりの うすみどり の歌詞が刻まれた記念碑の写真

ちなみに 
当院のそばにある亀島橋のたもとには
銀座の柳四世 
があります

銀座の柳四世の写真

さて うすみどり  
何なのでしょう?

今より沢山の堀や水路が街中をめぐっていた
江戸時代には
至るところに
柳が生い茂っていたそうです

そう 
うすみどりは柳の葉の緑だったのですね

八丁堀も江戸を巡る
堀の一角を占めていたことは
 以前ご紹介しました

今は多くが埋め立てられてしまったので
あまり面影がありませんが
江戸 東京は水の都だったのですね

この水路により 
江戸の町は世界有数の街に変貌した
という話も聞いたことがあります

江戸時代の水路が描かれた浮世絵

さて 柳に話を戻しますが

柳の木は 水を好み 
水の象徴ともされていたそうな

銀座にもたくさんの柳の木が
あったそうです

しかし明治になって政府は 
銀座の街路樹を
桜 松 楓といった
見た目が華やかな木に変えてしまい
銀座から柳が消えてしまいました

そんな状況をはかなんで
昭和の末に
銀座の街に柳を復活させる運動が
起こったそうで

都下の日野に残されていた
銀座の柳から枝を持って来て
挿し木でつないでいくという根気強い作業が
有志の方々によって続けられました

銀座の街路の柳の木の写真

日々 
あらゆるものが変化を続けている銀座の街で
変わらない柳を
銀座の心のよりどころにしたい

そんな思いが 
こうした運動の根底にあったそうです

なるほどです


そこから話は 柳染め に転じます

柳染め 

不勉強な書き手は知りませんでしたが
主に着物や帯を染める草木染だそうです

柳染めと書かれた緑色のカード

おしゃれ好きに人気の 
街に溶け込む上品な色

暖かみのある肌色 
気品が漂う灰色

そして 柳のおもむきを感じさせる 
うすみどり

うすみどりの着物の写真

うすみどり 
再び登場しましたね!(笑)

8月になると 
過分に生い茂った柳の木の枝は
切って捨てられてしまいますが
それをトラック1台分もらって
草木染めをするそうです

柳の葉は
それほど草木染めにむいては
いないそうですが
段ボール2箱分の量を
1日10時間 1週間かけて根気強く煮詰めると
赤茶色の染料ができます

紡ぎの生地にそれを塗って
銅が入った色を定着させる
媒染剤を上塗りすると
柳のうすみどりが現れてきます

乾燥させると色はより鮮やかになり
媒染剤の量を変えることで
みどりのグラデイエーションが
できるそうです

柳染めの反物の写真

やわらかいけれど 
銀座らしく格好が良くて
品があってじゃまにならない色

番組では 
柳染めの着物 帯を着た女性が
さっそうと銀座の路地を歩いておられましたが
なかなか絵になっていましたよ!

柳染めの着物 帯を着た女性が銀座を歩く様子

格好良いけれど 
目立ちすぎず邪魔にならず
そして 暖かく品がある

うーん まさに大人の世界!

銀座はやはり大人の街ですね
そして奥が深い!

小さい頃から慣れ親しんで
どこに何があるかくらいは
知ったつもりでいましたが

銀座を余裕をもって歩くには
まだまだ修行が足りません!(苦笑)

 

高橋医院