イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票は 
いよいよ今週行われますが

EUとイギリスのバッジ

世論調査では 
予断を許さない状況のようです

それに先週末には 
残留派の国会議員さんが狙撃されて亡くなられて
ちょっと衝撃的なニュースでした

とても憂鬱な気分になりました、、、

さて 前回は
NHKの報道特番を見た感想を書きましたが

その後に読んだWedgeという雑誌の記事に
こんな興味深いことが書かれていました

離脱派の割合が
残留派のそれを10%以上高いグループの属性は

*50歳以上
*大学まで行かず 中等教育で修了している
*熟練工 失業者
*イングランド地方在住

離脱派の人たち

逆に 残留派の方が10%以上高いグループの横顔は

*18~39歳
*大学卒業者
*管理職・専門職
*スコットランド アイルランド ウエールズ地方在住
*ロンドン在住

残留派の人たち

離脱を主張する人々のプロファイルを見て 
驚きました

これって 最近 
どこかで見たことがあるプロフィールです

そう アメリカ大統領選挙で 
トランプを支持している人達のプロフィールに 
まさにそっくり!

トランプを支持している人達

記事では この結果は
イギリス社会が完全に二極化している現実を
見事に浮き彫りにしている
と 指摘していて

離脱派の特徴は
*高齢者 か 低学歴
*労働者 か 失業者
*そして 白人の生粋のイギリス人

アメリカでトランプを支持している人達の
*白人
*男性
*低所得者や失業者 大学で学んでいない

といった特徴に
まさにかぶっているます


イギリスでもアメリカでも
現在の社会に怒りを有している 
白人のネイティブが
EU離脱運動や 
トランプ支持運動を 
担っているようです

想像するに そうした人たちは
かつては
社会の中流を支える役割を果たし
それなりに満足した生活を
享受できていたのに

現代社会を席巻する
グローバリゼーションに上手く適合できず
今や移民に職を奪われたり 
低賃金にあえいでいたりで

昔は良かった的な
懐古主義的な価値観を持つに至った
人々なのでしょう

だから 
現在の社会を牛耳るシステムには
納得がいかない

Brexit現象を 
NHKの特番で取り上げていたように
地政学や歴史の視点や
イギリス人のメンタリティといった側面から解析すると
それはそれで面白かったのですが

今回の記事のように 
生々しく(?)分析されると

面白いなんて言っていられないというか 
声が出なくなる

なるほど~、、、

少し趣が異なりますが 
ヨーロッパ各国で最近見られている
極右 極左政党の進出ぶりも
Brexitやトランプを支持する人々と
重なる部分があるのかもしれません

ヨーロッパ各国における極右政党支持率を示したグラフ

多くの人達が 
現在の社会を動かしているシステムに対して
不満や怒りを抱き 
NOを突き付けようとしている現実は
共感するかしないかは別として 
認めざるを得ない

そんな時代なのですね、、、

Brexitに話を戻すと 
イギリスのタイムス紙は

43歳を境にして
残留派と離脱派の割合が逆転する
と分析していて

「EUの中のイギリス」で育った若年層

イギリスやアメリカが 
戦後秩序を主導した時代に郷愁を覚える中高齢層

意識の隔たりは大きいとしています

年代別の離脱派 残留派の割合を示したグラフ

そして 国民投票当日の天候要因などで 
当日の投票率が伸びなければ
中高齢層主体の離脱派に有利に働くと予想していて

うーん イギリスの国民投票

国民投票の投票用紙

そして11月のアメリカ大統領選挙

ヒラリーとトランプ

いったい どうなっていくのでしょう

そして そんな世界的な潮流は 
日本にも及んでくるのでしょうか?

不安というと変ですが
正直なところ 
なんとなく微妙な心持ちになってしまいました、、、

ちなみに ミック・ジャガーは 
こう言っているそうです

離脱は短期的には有害だろうが
20年ぐらいの長い目でみたら 
有益な結果になるかもしれない

ポールとミック

マイヒーローのポールのコメントは

どちらにするかまだ決めていない 
最後には最良の結論が出るさ

うーん 
ミックに座布団1枚でしょうか?(笑)


高橋医院