リンストロームさんが
明らかにした 
もうひとつの興味深い点は

マーケッテイングは 感性に訴えろ

ということです

意識の下に感性があることを示す図


ブランディングは 
理性で考えるものではなく感性で感じるもの頭では理解できない 
まったく非合理的な消費をもたらすもの
こそがブランドであると

しかも
視覚 聴覚 嗅覚などの
あらゆる感覚を同時に刺激することが 
最も効果的だそうです

あらゆる感覚について示した図

というのも

現代は視覚優位の世界で 
多くの情報が目を通して脳に入ってきますが

現代は視覚優位の世界であることを示す図

視覚の脳へのアピール度は 
実はそれほど強くない

少なくともブランド認知を高める効果は
聴覚 嗅覚の方が 
視覚よりも勝るそうです

耳のアップの写真
鼻のアップの写真

そこで 
視覚と他の感覚を組合せた宣伝の方法がとられ
こうした方法を
五感ブランディングと呼びますが

五感ブランディングについて説明した図

五感ブランディングに接した際の
fMRIやSST分析では

*脳のさまざまな領域が 
 一斉に活性化される

*心地よい 好ましいと感じるときに活性化する領域も
 活性化される

*感情に直結するので
 商品に対する好感度が上がり 
 長期記憶も誘導される
といった現象が認められ

視覚と他の感覚を組合せた手法は 
とても効果的で
商品に対する好印象が得られることが
明らかにされました

視覚と他の感覚を組合せた手法について説明した図

興味深いのは 嗅覚 の重要性です

視覚で活性化される領域の多くが
嗅覚によっても活性化されることが
示されましたが

嗅覚は 最も原始的な感覚で

鼻の嗅覚受容体から
大脳皮質を経ずに
情報がダイレクトに 
感情を司る大脳辺縁系に伝えられます

嗅覚は鼻の嗅覚受容体から大脳皮質を経ずに情報がダイレクトに感情を司る大脳辺縁系に伝わることを示す図

この点が 
嗅覚と他の感覚との重要かつ大きな差異で
他の感覚と異なり 
考える前に反応する


嗅覚により瞬間 瞬時に直観が働くことを示す図

嗅覚により 
瞬間 瞬時に直観が働くのです

ですから 
潜在意識に訴えかける広告効果も大きい

たとえば

*婦人服売り場で 
 バニラなどの女性的な匂いをスプレーする

*リラックスさせ 
 南の島にいるように感じさせる
 甘いメロンの香りを売り場に漂わせる

*シャツ店は 
 洗濯仕立てのコットンの香りを漂わせる

*ファストフード店は
 料理仕立てのベーコンチーズバーガーの香りを
 通気口から流す

*スーパーは 焼きたてのパンの香りを漂わせる
 あるいはパン屋を店頭に配置して
 その香りにより 
 お店に来た人々に 新鮮さ 安心感 生活感を呼び起こし
 かつ お腹もすかせる

そうしたことがなされると 
売り上げが確実に増えるそうで

うーん 
お店で知らない間に嗅覚が刺激されて
購買意欲が書きたてられていたのかな?

でも 鼻づまりの方には 
この方法は効かない?(笑)

も マーケッテイングには重要です

商品と色を上手くマッチングさせると
ブランドと感情を結びつけ 
ブランド認知力を80%増加させるそうで

商品の選択基準の半分以上に 
色が影響しているとか

いちばん有名なのが 
コカ・コーラの赤 ですね

もともとサンタさんは
青い服を着ていましたが

青い服を着たサンタの絵

コカ・コーラの宣伝で 
コーラを飲むサンタさんが赤い服を着て以来
サンタさんの衣装は赤が定番となり
その影響で 
人々は赤を見るとコカ・コーラを
連想するようになりました

赤い服を着たサンタの絵

も重要で 
音には 強い連想 感情を引き起こす力があります

例えば

*駐車場や地下鉄でクラシック音楽を流すと 
 破棄行為が減る

*シャンソンを流すと 
 フランスワインがよく売れる

*ビアホールの音楽を流すと 
 ドイツワインがよく売れる

面白いのは
レジで 
どうしてフランスワイン ドイツワインを買ったのですか? 
と聞くと

シャンソンやビアホールの音楽が流れていたから
と答える人はひとりもいない

つまり 
客は流れていた音楽の影響に
気づいていない

無意識への働きかけにより 
意識せずに商品を選んでいたわけで
これは色や香りの場合も同じでしょう

無意識のうちに感性に訴えかける
五感ブランディング 

侮れません!

無意識に訴えていることを示す図

ということで

ニューロマーケティングにまつわる話題を
紹介してきましたが
全く知らない世界 でも 身近な世界 で
とても興味深かったです

ブランドショップを冷やかすことがあったら
眼だけでなく 
耳や鼻を充分に働かせて
いろいろとチェックしてみます(笑)
高橋医院