肥満の行動療法
減量で意外に重要なのが 行動療法です 行動療法 聞き慣れないと思いますが どうして太ってしまったのか その原因を自分で探し出して そうならないように 生活習慣を改善していく そして 減量の効果を 目に見える形で評価していく といった作業のことです
<肥満者の食行動> @食行動の異常 *間食 ストレス誘発性食行動 *過食 夜間大食 *偏食 早食い 朝食の欠食 といった食行動の異常をともなうことが多いです @自らの食行動に関する認識のずれ *本人は 少し食べ過ぎた とか ときどき間食する と認識していても それが 少し や ときどき ではないことが多く その認識が大切です *そうした事実を 患者さん本人に自覚してもらうとともに 肥満発症の要因 治療阻害因子などの問題点を 自ら抽出し自覚してもらうことが大切です <食行動質問票> 自らの食行動に関する 生活習慣の問題点を把握するために行う 一種のアンケート質問です 肥満の原因となる下記の食行動に ご自身はあてはまるか? 質問に答えて あてはまる場合は それをご自身で認識され 改善していくことが大切です 読み手の皆さんも 是非やってみてください @体質 体重に関する認識 *太るのは甘いものが好きだからだと思う *食べてすぐ横になるのが太る原因だと思う *風邪をひいてもよく食べる *水を飲んでも太る体質だ *太るのは運動不足のせいだと思う *人より太りやすい体質だと思う *それほど食べていないのに痩せない @食動機:食べ過ぎてしまう理由 *料理が余るともったいないので食べてしまう *食後でも 好きなものは別腹で食べられる *夕食の品数が少ないと不満 *他人が食べていると つられて食べてしまう *外食 出前では 多目に注文してしまう *食料品を買うときは 大目に買わないと気がすまない *果物や菓子が目の前にあると つい手が出てしまう *料理を作るときは 多目に作らないと気がすまない *スーパーなどで美味しそうなものがあると 予定外でも買ってしまう *食後でも すぐに次の食事のことが気になる *付き合いで食べることが多い @ついつい食べてしまう理由 *冷蔵庫に食べ物が少ないと落ち着かない *イライラしたり 心配事があると つい食べてしまう *身の回りに いつも食物を置いている *何もしていないと ついものを食べてしまう @空腹 満腹感 *空腹になるとイライラする *お腹いっぱい食べないと 満腹感が得られない *たくさん食べたあとに後悔する *空腹を感じると眠れない *空腹 満腹感を自覚できない *食事の前にお腹が空いていないことが多い @食べ方 *早食い *人から よく食べるね と指摘される *よく噛まない *口いっぱいに詰め込むように食べる *食事のときは 食べ物をよく噛まず 次から次に口に入れてしまう @食事する場所 食事の内容 *コンビニをよく利用する *外食 出前が多い *ファーストフードが多い *スナック菓子をよく食べる *濃い味付けが好み *麺類が好き *和食より洋食が多い *菓子パンをよく食べる *脂っこいものが好き *甘いものが好き *肉食が多い *ビールをよく飲む @食生活の規則性 *夜食が多い *宴会 飲み会が多い *朝が弱い夜型人間 *連休 盆 正月休み で いつも太る *間食が多い *食事の時間が不規則 *夕食がいちばん豪華で量も多い *夕食をとる時間が遅い *ゆっくり食事を摂る時間がない *朝食を食べない <30回 咀嚼する> 食物を口に入れてから飲み込むまでに 30回咀嚼することが大切です *早食いの是正になる *満腹感が得られるので 食事量が減少する *内臓脂肪の分解が期待できる *ゆっくり食べる人の方がメタボの割合が少ない といった効果が得られます <体重測定を励行する> @減量を始めたら 定期的に体重を測定することが大切です *自身による体重の記録により 治療に対する自覚ができ 向きあいたくない自分に取り組めます *体重減少 検査データの改善が 減量を続けていくモチベーションになります 家族や知人からの減量に対する褒め言葉も 減量を続けていくモチベーションになりますから 周囲の方の協力も重要です @減量効果の長期維持のためには 自己体重測定の習慣化が重要です *毎日 起床直後の体重測定を行い 手帳などに記録する *前日との比較を行い なぜ増減したか吟味する といったことを 励行してください @グラフ化体重日記 体重測定の理想的方法とされています *起床時 朝食後 夕食後 就寝前の体重を計る *ベースとなるのは起床時の体重で 日中は増え 夜間は減るリズムがあります *1日に数回の体重測定により 上記の体重変化のリズム異常を認識でき 生活パターンの異常点を見出すことが出来ます この励行はなかなか困難かと思いますが やる気のある方は 是非 トライしてみてください
高橋医院