哲学者の政治評論
マルクス・ガブリエルの日本滞在記 ちょっと指向を変えて NHKの番組では 取り上げられませんでしたが マルクスは日本滞在中に 毎日新聞のインタビューを受けています そのなかで リアルな政治の話もしていて面白い 安倍晋三政権は 政治家が倫理から懸け離れてしまった 現代の象徴だ と 語るのですよ(笑) 安倍さんは トランプの友人になろうとした 世界最初の首脳で ⼤統領候補にすぎなかった時代は 距離を置き 当選するとすかさずすり寄った ちょっと恥ずかしい振る舞いだが 大事なのは 実像ではなくイメージと分析します 彼は日本人の多くが こうした行動を好むと わかっていたのでしょう アメリカのストロングマン というファンタジーに近づくことで 安倍さんは“極めてパワフルな男”という ⾃分のイメージを 売ろうとしたのだと思います 安倍さん 見透かされちゃった?(笑) 世界は権威主義的なリーダーが 跋扈する状況になっている トランプ プーチン トルコのエイドリアン そして安倍さん この状況をファシズムに絡めて ファシズムは 未来志向という中身がはっきりしない幻想で 大衆を動かす つまり 未来を目指すなら現在は悪であり 今のルールを壊さなければならない と国民を誘導する これは今の日本のみならず 世界に広がっている動きです と指摘します そして 政治スキャンダルをいくら重ねても 政権が崩れない安倍政権の現状は まさにファシズム的統治の成果だ と分析します 有権者はかつて 倫理を備えたリーダーか そういうふりをする指導者を 求めてきました 権力をどう制限できるか が根本的アイデアで 倫理の土台がなければ 権力は無制限に暴走します しかし最近は 政治にとって倫理は 大事なものでは なくなってしまった その典型が トランプ 安倍政権です なぜ倫理が問われないかと言えば 古い価値観を捨てなければ ラジカルな未来は開けない という絵空事のような言葉が 人々の倫理を鈍らせるから 彼は 政治だけでなくさまざまな局面で 倫理をとても大切にします そのスタンスには共感できますが でも 倫理を常に意識するのは 意外に難しい気もします どうなのかな? 安倍政権は 経済を安定させれば 政権は揺るがないと わかっている 政権の中身がどうあれ どれほどスキャンダルが続こうと 権威主義 強い男のイメージが 備わっていれば なんとなく支持されると ただし 経済が傾けば もともとイメージだけなので 崩れるときは早い 哲学者さん しっかりと異国の政治状況分析も していますね!(笑) マルクスの政治評論を聞いていると 安倍さんが トランプやプーチンに近寄りたがるのは 国益だけでない 別の理由があるのかな と思ってしまいます(笑) 最後に 世界情勢について こんな風に語ります 今はどんな政治問題も 一国だけのレベルでなく世界の問題だ 気候変動も不平等も 扉の向こうにあるのは 不平等解消のあるべき姿だ 国レベルでも世界レベルでも 今の不平等は過去最悪 民主主義の危機も ポピュリズムも権威主義も 全て 不平等の問題からきている 扉の向こうにあるべきなのは 格差を乗り越えた新たな社会モデルだ はい 耳にタコの感すらある 昨今よく聞かれる格差論議ですが 具体的には どんな社会モデルが格差を 克服できるのでしょう? マルクスはこう答えます じわじわと時間をかけて 人々の精神が 変わっていくのではないか? 北欧などには ベーシックインカムに加え マキシマムインカム(収入の上限)が必要だ とする考えがあるし それに 金を稼いでばかりいることの虚しさに そろそろ気がつき始めるのではないか? 日本は今でこそ格差がひどいけど かつては収入格差が極めて小さい 良き価値観を備えていた そういう意味では 日本が新たな社会モデルのヒントに なれるかもしれない 彼は最後に そんなリップサービスを 残したそうです マルクスの 多方面に及ぶ意見やコメント 面白かったです! やっぱり 哲学は大事なのでしょうね?(笑)
高橋医院