心中天網島
いやー びっくりしました! 去年の夏の話ですが 書き手に送られてきたメールには ある公演のチケット予約のお知らせが 案内されていて お これはぜひ行きたい と思ったので 予約開始日に 開始時間から30分ほどたってから HPにアクセスしたのですが なんとその時点で 席は最後列の1席しか空いていなかったのですよ! あわててクリックして なんとか席を確保できて そういう意味ではラッキーでしたが 9/7~9/23の約2週間に及ぶ公演のチケットが わずか30分で ほぼ完売! 驚きました! そんなに瞬間的にチケットが売り切れてしまったのは 国立劇場で開かれた 第208回文楽公演 出し物は 近松門左衛門の代表的な世話物 心中天網島(しんじゅう てんのあみしま) 近松作品ではない第2部の演目のチケットは まだ残っていたので やはり近松人気は もの凄いですね! 実は以前にも 近松の代表的な世話物 曽根崎心中の文楽を観たいと思い 発売開始2日後にアクセスしたら 既に完売だったので 今回は開始当日にアクセスしたのですが まさか30分で完売になるとは ホント 再度ビックリで 最後列の席でも とれてラッキーでした! 去年 文楽の本場大阪の国立文楽劇場で 近松の「女殺し油地獄」を観て とても面白かったので やはり近松の世話物の文楽は 全部制覇しないといけないと思い(笑) ちょうど夏休み中だったので ウイークデーの午前10時半頃 国立劇場に到着しました 前回 ここで文楽を観たのは4年以上前 そのときは一緒に行かれた方は やはり「人形はコワイ」そうで 今回はパス というか もともとチケットは1枚しかとれませんで(苦笑) で ウイークデーの午前11時から午後3時までの公演を 楽しみに来られる客層はどんなものかなと ある程度は想像していったのですが ハイ 昨年 還暦のお祝いをしていただいた書き手は 完全に「若手」でした(笑) しかも女性が8割くらいかも 文楽の年間の観客数は やはり東京より大阪の方が多いようで さらに 去年 大阪で観たときは 意外に若い観客が多くてびっくりしましたが 東京の若い人には 文楽はまだ馴染みのない 「あなたの知らない世界」なのでしょうか まあでも ウイークデーの午前中だから 来られる人は限られているのかもしれません 大阪の公演は土曜日の午後だったし ちなみに客席のノリ 雰囲気は 東京に比べて大阪の方が 圧倒的に反応が良いよいそうで 東京のお客さんは お行儀が良すぎるそうです(笑) さて 前回 日曜日に 国立劇場のロビーにいた黒子ちゃんは 今回はウイークデーのためか 営業されていませんでした(笑) で 文楽が行われる小劇場の内部は こんな様子 舞台右手に見える せせりだしたところが 太夫さんと三味線さんが座るところで 舞台の両端の上方で 縦長のスピーカーのように見えるのが 公演中に台詞が表示されるディスプレイなのです 前からこんなのあったかなあ? でもイヤホンガイドとこのディスプレイのおかげで ストーリーの展開を 充分にフォローすることができました 心中天網島は 近松が68歳の晩年に書いた 円熟期の最高傑作と評価されていて 例によって 事件記者の近松が 実際に大阪 網島の大長寺であった心中事件をヒントに わずか2週間で書き上げたそうです ストーリーは 少しひねりがあって複雑 単なる男女の心中ではなく 心中する遊女と 心中相手の男性の奥さんの間の 女同士の義理が 大きなモチーフとして語られます 登場人物は 主人公が 紙屋治兵衛 28歳 彼に恋する曽根崎新地の遊女の小春 19歳 小春に横恋慕して 身請けしようとするのが太兵衛 治兵衛以外の男に身請けされるくらいなら いっそと死んでしまおうと思う小春は 治兵衛との心中を決意し 治兵衛もその気になります しかし治兵衛には 奥さんと幼い子供がいて 奥さんのおさんと 治兵衛の兄の孫右衛門が なんとか二人の心中を止めようとする そんなストーリーが どのように語られ 演じられていくのか 次回に詳しく紹介しますが うーん それにしても 28歳の妻子ある男と19歳の娘の 実際にあった心中ですか 今の若い人たちは このお話を聞いて どんなことを思うのでしょうね? オジサンは ちょっと興味があります(笑)
高橋医院