代替肉の利点は 大きく分けて3点あります

<地球の環境問題>

前回ご紹介したように
全世界の人々に莫大な量の食肉を提供している現在の畜産業は
さまざまな点で地球環境に 悪影響を及ぼしています

現在の畜産業が地球の環境問題におよぼす悪影響について説明する図

しかし代替肉は
その産生に現行のシステムを必要としないことから
地球温暖化阻止に繋がるという大きな利点があります

アメリカの代表的な代替肉メーカーの
ビヨンド・ミート社の発表によると

同社での代替肉の製造過程における
水の利用は 現行の食肉生産よりも99%も少なく
温室効果ガスの排出は 90%少なくてすみます

代替肉の製造では水の利用も温室効果ガス排出も少なくてすむことを示すグラフ

ビヨンド・ミートと並ぶ大手のインポッシブル社の発表では

代替肉の産生システムは 従来の畜産業のシステムと比較し
利用する土地の面積は96%少なく
水の使用量は87%少なく
エネルギー使用量は50%少なく
温室効果ガス排出量は87%も低い

インポッシブル社のデータ

このように 
代替肉の産生システムは
はるかに少ない資源の使用ですみ
土地や動植物の生息地の保全し
大きな地球温暖化防止効果があるのです

代替肉は
地球に優しいエコフレンドリーな選択で
地球環境と人の健康の両方で
サステナブル(持続可能)な食品として 注目されているのです


<人の健康問題>

赤味肉や加工食を食べることで
発症の可能性が高まるといわれている
心臓病や糖尿病で亡くなる人の数が
赤味肉や加工食の摂取を半分にするだけで
毎年1000万人減らせるという研究成果があります

代替肉は 
心臓病 糖尿病 がんのリスクを
抑えることができるかもしれません

あとで詳しく紹介しますが
近年 代替肉が大きく注目されている理由が
人々の健康意識 食への関心の高まりがあります

代替肉の栄養価を疑問視する声もありますが

タンパク質は 
肉や魚以外の野菜 豆 雑穀類にも豊富に含まれているので
豆などを原料にする代替肉を食べていれば
肉よりずっと安上がりで
栄養もきちんと摂れると言われています

代替肉の栄養価は問題ないことを示すデータ

代替肉の栄養価やカロリーについて 開発会社は

自然食と比べて 総じて低カロリー 高栄養で
コレステロールと飽和脂肪酸の含有量が
食肉製品より少ないと主張します

カロリーは
人工肉パティが約250キロカロリー
牛肉のパティが290キロカロリー

食物繊維や鉄分が多いのも 代替肉の栄養学的特徴です

但し 一部の栄養士さんからは
代替肉のカロリーは肉製品と同等であり
ナトリウム含有量は牛肉製品より多く(約5倍)
加工の度合いも大きいと心配する声がだされています

代替肉の安全性については
最近アメリカのFDAの認証を受け
人が口にしても安全であると
国からお墨付きを得ています

代替肉へのFDAの認証を示す書類

<動物愛護>

最近は 肉や魚を食べることは 
罪のない動物たちを屠殺するということだと考える人たちが増え

また
肉を安く供給するために 牛や鶏が劣悪な環境で飼育されること

生産量を増やすため 
成長ホルモンや抗生物質が大量に使用されていること

牛や鶏に与えられている抗生物質
牛や鶏に与えられている成長ホルモン

などに対する疑問が湧き上がっています

代替肉には 
こうした憂慮や疑問を解決するというメリットもあります


少し趣が変わりますが 代替肉は
ユダヤ教徒向けのコーシャ認証
イスラム教徒向けハラール認証
も受けているので

宗教に関係なく
多くの人々が口にすることもできます

 

高橋医院