ポストコロナは監視社会になる?
ここでハラリさんは 監視社会について 論を展開されます ちょっと唐突だなと思いましたが これが奥が深いのですよ <感染防御の手段としての監視システム> 新型コロナウイルスの 感染拡大を食い止めるには 全ての人が一定の指針に従わなければならない これを成し遂げるために使われる手段のひとつが 全体主義的監視で 政府が市民を監視し ルールを破った人を罰する方法である 今 人類史上で初めて テクノロジーを使って 全ての人を常に監視することが可能になった 実際にいくつかの国の政府は 新型コロナの感染拡大を阻止するため こうした新たな監視ツールを既に活用している @中国では 最も顕著なのが中国で 市民のスマホを細かく監視するとともに 顔認証機能を持つ監視カメラを 街中に何億台も配置して あらゆる情報を収集している そして市民には 体温や健康状態のチェックと その報告を義務付けることで 新型コロナの感染が疑われる人物を 速やかに特定できるシステムを作り上げた さらに 感染が疑われる人がわかったら その人の行動を追跡し 接触した者も特定できている 日本の厚労省の対策チームの クラスター班の人たちや 保健所の人たちが 人海戦術で必死になって調べていることを 中国ではデータ解析で 簡単にできているのですね! そんな まるでSF映画を見ているようなことが 実際にリアルに行われているとは びっくりです! そして 感染者に近づくと 警告を発するアプリさえ登場している @日本では 日本でも類似したスマホアプリが登場し 政府がさかんにその使用を呼びかけていますが 利用者数は伸びていないようです プライバシー保護には 充分に気をつけるとのことでしたが どうなっていくのでしょう? @欧米では また ヨーロッパやアメリカでも 同様のスマホアプリは不人気なようです @イスラエルでは 一方 ハラリさんの母国イスラエルでは 通常はテロリスト対策に使われている監視技術を 新型コロナウイルス患者の 追跡のために使うことを認め 議会は反対しましたが 政府は緊急命令で押し切りました この結果 個人の健康に関わる情報が 公安部門に渡されてしまう結果となったのです 後にハラリさんは このことをとても残念がられます <パンデミックが監視の歴史を変える可能性がある> ハラリさんは続けます このように 今回の新型コロナによるパンデミックが 監視の歴史を大きく変える 分水嶺になるかもしれない 今後 多くの国が 国家規模の大規模監視システムを 導入する可能性がある 独裁国家だけでなく 民主主義国家でもそうするかもしれない これまで民主主義国家は そうした監視については反対してきたけれど 今回のパンデミックで 市民も許容するようになった そして 非常事態が終わっても監視システムは続く 導入は簡単だが 廃止は難しい 次のパンデミックに備えるという言い訳もできる そのような監視社会が常態化してしまう 上述したようなシステムは 確かに感染の拡散防止には有効かもしれませんが なんとなく怖い気もします 監視の質がより高度なものになると ハラリさんは心配されます
高橋医院