艶か若さか?
このところ ずっと コロナ関連の話題が続いていたので 久し振りに 息抜きをしたいと思います(笑) ホールで集合して 引率者の注意を聞いている 姿勢の良いお嬢さんたち きっとどこかの バレエスクールの生徒さんたちで 今日は楽しみにしていた公演の見学かな? そんな彼女達が 胸を躍らせるに違いない公演は ミハイロフスキー劇場の The Sleeping Beauty・眠りの森の美女 昨年末のクリスマスシーズンに行われましたが 新型コロナの影響もあって レポートするのは 季節外れの晩夏になりました 今思うと この公演が行われていた頃 既に武漢では新型コロナウイルスが 姿を現し始めていたのですね そう思うと うーん なんだか感慨深いです(苦笑) さて ミハイロフスキーは なんと4年ぶりの来日だったそうです ロシアバレエの公演のときは 必ず売られているマトリョーシカ こんな可愛い バレリーナのクマさんもいました! で ホールのあちこちに置かれた このお知らせ そうなのですよ 主演するはずだったペレンさまが なんとキャスト交代 なんでも 怪我や体調不良でなく 振り付けをした芸術監督の 強い意向によるものだそうです ペレンさま目当てだった書き手は ちょっとがっかり このお知らせを見て 驚いている方もたくさんおられました いったい何があったのかな? 下衆心がくすぐられます(苦笑) さて 舞台は 美しかったです! この演目の主役と思っているリラの精たち 衣装もキレイで 安心して穏やかな気持ちで 楽しんで見ることができました こんな これまでの公演では見たことがないような 目新しい踊りも印象的でした 王子とオーロラ姫のあいだをとりもつ リラの精 以前にも書きましたが 彼女はこの演目の影の主役だと思っています そして 王子のキスで 長い眠りから目覚めるオーロラ姫 いつものことながら このシーンも美しくて 安心して見ていられます エイフマンやノイマイヤーの斬新なバレエも ドキドキして良いのですが ロシアの伝統的な定番バレエは それほど心は踊らないけれど 穏やかな気持ちで楽しめます アクセントになったのが オーロラ姫を眠らせてしまう 悪の妖精のカラボス ずいぶんといかつい ガタイの良いおばさんが出てきたな と思ったら なんと ルジマトフでした! 迫力満点! ずいぶんと思いきったキャスティングをしたものです! ルジマトフが登場するシーンでは 客席から黄色い声援がしきりに飛んでいました! さて ペレンさまに代わってオーロラ姫を踊ったのが 新星のアナスタシア・ソボレアさん ダンサーの最高位のプリンシパルでなく まだ次の位のファースト・ソリストです なんとなく オードリー・ヘップバーンを思わせる 上品な雰囲気が漂います プログラムを見ると キエフ出身で ボリショイ・バレエで学んだそうで ペレンさまとは ちょうど12年ほどの年の差のようです さすがに彼女に比べると ペレンさまも貫録がつきました 確かにオーロラ姫を演じるには 少し艶が出過ぎてきたかもしれません オーロラ姫のキャストが交代した理由は そんなところにもあったのかなと 余計な下衆の勘繰りをしました(苦笑) アナスタシアさんのダンスは きれいにまとまっていましたが でも すごく衝撃的ではなかった フレッシュではあるけれど ダンスの切れは まだまだペレンさまの域には及ばないと感じて 逆にペレンさまの踊りのレベルの高さを 再認識しました ペレンさまには 白鳥の湖の黒鳥のような深みのある役を これから先 どんどん踊っていただきたいものです
高橋医院