どうしてインフォデミックは
世間に速く広く 
拡散してしまうのでしょう?


<情報の発信源はインターネットとSNS>

@データ社会 テクノロジーの影響

現代社会におけるインフォデミックの拡散は
テクノロジーの急速な進化と無縁でなく

インターネット SNSにより
些細な情報から重大な情報までが
瞬時に拡散されます

インターネット SNSで情報が瞬時に拡散する様子

情報の拡散の規模と速度が従来の比でなく
1日に数十万人に伝わり

情報拡散力やスピードは
2003年のSARSに比べ68倍
スペイン風邪流行時の150万倍
になっているとのこと

SNSやインターネットなどで 
世界中の人たちが繋がり
玉石混合のあらゆる情報を
瞬時に得ることができるようになったからこそ
以前とは比較にならないほどのスピードと規模で
情報が拡散されていきます

情報がものすごいスピードで拡散している様子


@データ社会に劇的な変化をもたらしたSNS

SNSは
リアルタイムに1対多の交流を可能にします

迅速な情報の共有により
多くの知恵が集まり 
助け合いがもたらされる一方
デマの拡散などにより 
混乱を起こす危険も抱えています

デマで混乱が起きている様子

SNSは
現代生活に欠かせない情報インフラですが
噂や風説も広めやすくなった点は
世界的な大きな悩みになりつつあります

一方で
「グループの会話が1日何百件も届き 
 多すぎて心が疲れた」

SNSを見て疲れている人
「昔は他人に情報を伝えるのに もっと慎重だったのに」

と語り SNSを去っていく人も少なくないとか

疲れてSNSを去っていく人

ネット情報の拡散力が
かってないほどに高まっているだけに
情報の質を見極めて
デマによる悪影響を防ぐだけでなく
自分が意図せぬ形で混乱を助長しないかという
慎重な情報発信姿勢も大切になります


<年代別で情報収集媒体が異なる>

野村総合研究所が
「新型コロナウイルス感染拡大に関する最新情報を
 いち早く知る手段は年代によって異なり特色がある」
という とても面白い調査結果を発表しています

まず フェイクニュース・偽情報と
誤情報の違いを示されます

フェイクニュース・偽情報
人々をあざむくため 注目を集めることだけを目的に
作られた情報で

誤情報は 不注意で共有された誤った情報です

誤情報は
発信元が間違いに気づけば 
直ちに訂正されますが

偽情報は拡散が主目的なので 
ひたすらたれ流されます


で 情報収集のツールとして
10~20代は ツイッター
30~40代は Google Yahooなどのポータルサイト
50~60代は テレビ
を それぞれ利用しているそうで

年代別の情報収集のツールを示したグラフ

ニュース系アプリやサイトは
すべての年齢で同じ程度利用されていました

興味深かったのが
情報収集にツイッターなどの
SNSを利用する若年層でも
新型コロナウイルス感染拡大に関して
まとまった情報を正確に知りたい場合は
むしろSNSを使用しない人が多い
という結果です

SNSや他の情報サイトの信頼度を示すグラフ

SNSは 情報のリアルタイム性は高いけれど
正確な情報かどうか判別がつかないと
ユーザーも認識しているようです

SNSの情報を信頼している人は
2割程度しかいなかったそうで 
ちょっと驚きました


SNSで流されるフェイクニュースや誤情報を
多くのユーザーが認識していて
実際に7割以上の人が
新型コロナウイルスに関連した
フェイクニュースを見聞きし
何回も見聞きした人は50%もいました

SNSで頻回にフェイクニュースを見聞きした人の割合を示すグラフ

やはりSNSは
フェイクニュースの発生源となっている可能性が高く
ツイッター上に存在する
人間に成りすましたボット
(自動化されたタスクを行うプログラム)が
フェイクニュースの発信源なこともあるそうで
恐ろしいですね!


またGoogle Yahooなどのポータルサイトは
それ自体がフェイクニュースを作ることはなくても
意図せずフェイクニュースを掲載している
可能性があります

野村総研の研究者は

SNS発の情報に対する信頼度が
低いことを示したように
これらの情報を心から信じる人はむしろ少数派で
多くの人が疑ってかかっているが

自分自身はそれを疑っていたとしても
ツイートする過程で無意識のうちに
フェイクニュースの拡散や
情報内容の変容に加担する可能性があり

そこがフェイクニュースの恐ろしい点であると
警鐘を鳴らされています
高橋医院