心臓の構造と働き
3月のブログでご紹介した心房細動は 不整脈の1種類です 心房細動は 近年とても注目されている不整脈ですが 不整脈には他にも重要なものがありますので この機会に解説しようと思います で 不整脈について解説するためには *体内の血液の流れ *心臓の構造 *電気刺激による生じる動きと働き などについて説明しないといけません それらを理解するための大前提として 人の心臓は *右心房 *右心室 *左心房 *左心室 の4つの部屋から出来ていることを まず覚えてください <体内の血液の流れ> 血液は体内で循環していますが その流れは *全身の組織から 二酸化炭素が多い血液(静脈血)が右心房に戻り *右心房から右心室に送られ *右心室から肺に送りだされ *肺で酸素と二酸化炭素の交換が行われ *酸素を補給された血液(動脈血)が 肺から左心房に戻り *左心房から左心室に送られ *左心室から 全身の組織に送りだされる というプロセスになっています もう少し詳しく説明すると 体内の血液の流れは 肺循環系と体循環系のふたつから成り立っています @肺循環系 全身の組織で使われた血液が 大静脈から右心房に戻ります この血液は 各組織から排出された二酸化炭素を含んでいて 酸素は少ないので 赤より黒に近い色をした静脈血です この色が 通常の採血で見る血の色です 静脈血は 右心室を経て 肺動脈から肺に送りだされ 肺で呼吸により二酸化炭素を排出して 酸素を補給されます @体循環系 肺で酸素を補給されると 血液は 酸素が豊富で鮮やかな赤い色をした 動脈血になります 動脈血は肺静脈により左心房に入り 左心室を経て 大動脈から全身に血液が送りだされます このようにして 左心室から出た酸素が豊富な動脈血は 全身の組織に行き届き 各組織に酸素を与えて組織の機能を支え 排出された二酸化炭素を回収して 静脈血として右心房に戻ります このような体内の循環系を 駆動させているのが心臓です <心臓の構造・心房と心室の役割> 人の心臓は 右心房 右心室 左心房 左心室の 4つの部屋から出来ています @右心房 拡張して 全身の静脈から戻ってきた静脈血をためて 収縮して 右心室に送ります @右心室 拡張して 右心房から送られてきた静脈血をためて 収縮して 肺に送ります @左心房 拡張して 肺から戻ってきた動脈血をためて 収縮して 左心室に送ります @左心室 拡張して 左心房から送られてきた動脈血をためて 収縮して 全身の動脈に送り出します つまり 左心室は 酸素がいっぱいの動脈血を 全身に送りだすポンプの役目をしていて 1日に10万回の収縮と拡張を繰り返しています 1回の駆出量は70mlなので 1分間に5リットルもの血液を 定期的に拍出しているのです そのため 左心室の筋肉の厚さは1cmにもなります 心臓の構造と 各部位の役割 働きについて ご理解いただけたでしょうか?
高橋医院