コロナ危機・グローバル経済は停滞している
パンデミックにともなう経済問題にフォーカスした NHKスペシャルのシリーズ・コロナ危機 前回までのブログで紹介した4月の放送では パンデミックにより 経済システムもパラダイムシフトが迫られ 国内では経済的弱者 国際的には発展途上国に 充分に気を配り 国際協調することが大切 とのメッセージを発していましたが 数か月経過した7月に 新たな論客を加えて第2弾を放送しました 題して コロナ危機 グローバル経済 回復力の攻防戦 この数ヶ月で明らかになったことは コロナ危機は 1929年の世界恐慌に匹敵する経済的打撃であることで 危機の本質は何か? と冒頭に問われます <停滞する経済の回復> パンデミックが猛威を振るうなか IMFは 今年の世界GDPは マイナス4.9%になると予測しました アメリカはマイナス8% EUはマイナス10.2% 日本はマイナス5.8% 中国はプラス1.0% 非常に厳しい予測値です この番組の常連さんのスティグリッツは 今 世界は 資本主義システムの根底にある弱点を 目のあたりにしている 政府の規制がなければ 資本主義に回復力はない と現状分析します 前回モンタナから登場した 歴史学者のファーガソンさんは まだ当地で巣ごもりを続けています 景気が急速に減少し過ぎていて 消費者は 感染機会を恐れて 以前の消費習慣に戻ることを恐れているので 経済の回復は当初の予想より遅くなるだろう なによりも恐れているのが 世界大戦へと急速に突入してしまう という最悪のシナリオで 現在の米中関係を考えるとその確率がゼロとは言えないと 非常に強く危惧します 証券会社チーフ金利ストラテジストで 日本の国債市場を30年近く見つめ続けている 初登場の森田長太郎さんは 実体経済の状態は酷いのに 株価は市場の想定を上回るほど回復している いったい何が起こっているのだろう と疑問を呈されます やはり初登場で 外資金融会社で金利トレーディング総括者をされている 居松秀浩さんは 株価の戻りは人工的なもので 実体経済は戻っていない 現状はオーバーシュート 暴騰の可能性が高く 何が起こっているかわからない とやはり訝しがられます こうしたコメントを受けて 「マネーの動きが バランスを欠いている」 とナレーターが語ります <一割減・経済の到来?> Withコロナの時代には ニューノーマルな経済活動へのシフトが求められ 新たな思考法が必要とされる という話題が展開されます ドイツでは 消費喚起のために 2020年下半期は付加価値税を 19%から16%まで引き下げました アメリカでは 上位25%の裕福な人たちほど 消費を抑えている という現実があります ファーガソンさんは 今後 失業率は大幅に上昇し 人々は失業手当を長期間受けることになるだろう ほとんどの国で 消費者はリスク回避のために消費せず 貯蓄率が上昇し 消費は低迷し続けるので 景気回復は非常に遅くなるだろう 中国ですら そのような状況にある と分析されます ナレーターは 日本でも 消費支出は前年度比マイナス11.1%で まさに「一割減経済の到来」だと語ります ここで スティグリッツが 市場が経済を的確に反映したことなどない と言いきり 次のように分析します 労働者の賃金が低いと 企業の利益は増え 株式市場は好調になる つまり 社会の人が苦しんでいても 企業の株式市場での利益は順調に伸びる しかし現状では 人々が消費しないので 企業の利益は減り 実体経済が縮小したので 行き先がわからなくなったお金が たくさん存在している 温存されたマネーは どこに向うのでしょう?
高橋医院