コロナ危機 グローバル経済 複雑性への挑戦
書き手がご贔屓にしていて このブログでも度々紹介した NHKの「欲望の資本主義」シリーズ これを手掛けてきたチームが コロナ危機に際して特番を作ってくれて 4月に第1弾が放送されました 「シリーズ・コロナ危機 グローバル経済 複雑性への挑戦」これまで紹介した「コロナと社会」ネタは 新型コロナウイルスが 社会の価値観などに及ぼす影響が論じられましたが この番組では ズバリ 経済にフォーカスします パンデミックは 世界経済のあり方をどう変えるか? 「ウイルスで死ぬか? 経済で死ぬか?」 などという物騒な文句が まことしやかに囁かれているご時勢ですから 真正面から経済だけに切り込むのも良いでしょう! これまでの欲望シリーズに何回も出ていた スティグリッツ ガブリエル セドラチェク シャルマといった 常連さんたちにインタビューしていきます
*コロナ危機 その時世界は? *グローバル経済から一転 国家が前面に立つとき *コロナ以前にすでにあった危機 *歴史の針をどこまで巻き戻すか *経済が弱者を追い詰め社会を壊す *距離のビジネスが世界を変える *複雑性の回復力 *withコロナ時代の新たなグローバル経済への提言 の8つのテーマから構成され 各テーマについて 論客たちが意見を述べます <コロナ危機 その時世界は?>
論客たちは 今回のコロナ危機を どのように見ているのでしょう? 最初に登場した お馴染みの アメリカのノーベル賞受賞経済学者の スティグリッツさんは NYの自室からの出演です
この先 全くの未知の領域と言えるほどの ひどい経済的打撃が世界を覆うだろう 人々が物を買わなくなるから 総需要が減り 商品の流動性が減り 供給も減る 多くの企業の経営はものすごく悪化し 負のスパイラルに落ち込む危険もある そうした状況を脱するには 慎重に思慮深く考え 対処しないといけない と 悲観的なコメントを述べます 経済はそんなに酷くなるのでしょうか? いきなりの厳しいご意見で なんとなく落ち込んでしまいます やはり常連の ドイツの哲学者 ガブリエルは ボンの自宅近くの森から出演します
今回のパンデミックは 新自由主義を終わらせ 市場主義が機能不全に陥る パンデミックは生物的な現象で 経済的構造とは完全に異なるので対処しようがない と まるで諦めの境地で 達観したようなことを言います
インドに帰国していた ウオール街の知性と呼ばれる ストラテジストのシャルマさんは
パンデミックは世界を新たに変える BC:before corona AC:after corona と呼ばれるようになるだろう とギャグを飛ばしたあと
ACは 脱グローバリゼーションと 債務恐怖症の時代になり これが長期間続いて 経済成長は戦後レベルにまで低下する と かなり深刻な表情 重い口調で語ります いつもとかわらず元気な チェコの経済史学者のセドラチェックは これまでの人たちとは少し趣を変えて ウイルスは平等で 国境も人種も宗教も関係なく 金持ちにも貧乏人にも感染するし 全体主義社会でも自由民主主義社会でも流行する とジョークを飛ばしたあと 今こそ 人類の団結が試されていて 世界がひとつになり 共に戦わなければいけないことを理解する文明に 変化するチャンスかもしれない
世界が科学の下に協力して 各国の安全政策を同期できれば理想的だ と 初めてポジティブなことを言います
そして 今回 初登場の 金融史 経済史を専門とするアメリカ人の ペリー・メーリングさんは ボストン郊外の自宅から登場
パンデミックにより パラダイムシフトが起こり もう前の生活に戻ることは決してない パンデミックは 現在の生活を覆う 「約束」に基づいた経済の網の目のような複雑さを 明らかにし そしてそれが さまざまな形で切り裂かれた と語ります うーん それにしても セドラチェック以外は 皆さん かなり悲観的なご意見が並びましたね 書き手も 経済がヤバイとは感じていますが 状況は思っているより 相当深刻なのかもしれません 認識を改めた方がいいのかな?
高橋医院