ボルドーのアッサンブラージュ 白ワインと貴腐ワイン
ボルドーではワインを造るときに アッサンブラージュという 数種類のブドウのブレンド作業を行います <アッサンブラージュ> @アッサンブラージュとは? ボルドーでは 主たるブドウであるカベルネ・ソーヴィニヨンを 1 0 0%用いて仕込まれるワインはほとんどなく 補助品種とのアッサンブラージュを経て瓶詰めされ 長期熟成向けのワインとなります 多くのワインがピノ・ノワール単一で造られる ブルゴーニュとの大きな違いであり ブドウ品種を調合する アッサンブラージュのテクニックこそが ボルドーの醸造責任者の腕の見せどころです @アッサンブラージュの歴史 利点 ボルドーは イギリスにワインを輸出していた歴史があり イギリス人の好みに合わせて *豊かな酸味を持つカベルネ・フラン *果実味のあるメルロ *色味の調整のためプティ・ヴェルド といった具合に カベルネ・ソーヴィニヨンと他のブドウを アッサンブラージュしてきました 結果的にワインに複雑さを付与することができ カベルネが天候不良の不作時にも 別の品種で補うことができるという利点もありました @カベルネとメルローの補完関係 カベルネ・ソーヴィニョンは メドックのような 砂利質で水はけのよい土壌を好み 一方 メルローは粘土質で冷たい土壌が向いていて しかも早熟なので 収穫期がカベルネ・ソーヴィニョンより1週間ほど早くなります 収穫期が遅いカベルネ・ソーヴィニョンは 収穫期末期の雨で台無しになるリスクがあり 最初は保険的な意味合いで メルローがブレンドされるようになったそうです また メルローがカベルネ・ソーヴィニョンの硬さを 和らいでくれるという利点もあるようです <ボルドーの白ワイン> ブルゴーニュで造られるのは ピノ・ノワールを用いた赤ワイン一辺倒ですが ボルドーでは白ワインも貴腐ワインも造られます ボルドーの白ワインは *ソーヴィニョン・ブラン *セミヨン が主流で この2つのブドウ品種で作られるものが ボルドーの白ワインの9割をしめます ブレンドされたものがメインですが ソーヴィニョン・ブランは辛口 セミヨンは甘口 という特徴を持ちます @ソーヴィニョン・ブラン 「フランスの白ブドウ」のブログで 既に紹介しましたので 興味のある方はそちらで復習されてください 端的に言うと さわやかな香りが特徴で しっかりめの酸味と フルーティななかにも苦味のある味わいで 口当たりのいいワイン 辛口ワインの主体として 用いられることが多いブドウです @セミヨン ボルドーの白ワインを造る重要な白ブドウで 甘口から辛口まで幅広いタイプの 白ワインが造られます 若いうちは あまり特徴がなく香りも乏しいため 人気の高いソーヴィニヨン・ブランとブレンドされることが多い 辛口のセミヨンは グラーヴ地区 アントル・ドゥー・メール地区で栽培され 赤ワインと同じようにオーク樽で熟成させると 複雑でしっかりとしたコクのある白ワインとなります <ボルドーの貴腐ワイン> @ソーテルヌ 世界三大貴腐ワインのひとつであるソーテルヌは ガロンヌ川の左岸 その支流のシロン川をはさんだ ソーテルヌ地区とバルザック地区で造られます *セミヨン *ソーヴィニヨン・ブラン *ミュスカデル などの白ブドウをブレンドして造られる 類稀なる長期熟成をする世界最高峰の甘口ワインです 濃厚な甘口 色合いも黄金色で 蜂蜜 紅茶 バニラ 干し杏のような香り アフターに残る上品な酸味もしっかりとあります セミヨンは 果皮が薄いため貴腐菌がつきやすく 貴腐ワインを造るのに大変適していると 言われています @シャトー・ディケム ソーテルヌ村にある ボルドーで最も古いシャトーの シャトー・ディケムでは *セミヨン80% *ソーヴィニョン・ブラン20% の比率でブレンドされたソーテルヌが 遥か昔から時を越えて脈々と醸造されています 出来上がったソーテルヌの色調が のが そのことを雄弁に物語っています シャトーの外観も庭園も立派ですが しかし多くの農民がシャトーを見上げながら働く 100ヘクタールを越える広い畑では 年間生産量は7000ケース程度と極端に収量を減らしていて その品質を落とさないようにしていて 不作の年には 敢えて瓶詰めが行われないそうです そして 時を越えてのソーテルヌの定番のマリアージュと言えば ブルーチーズとの組み合わせ
う~ん 想像しただけで
口内に唾液が出てきます!(笑)
高橋医院