かぜの予防と受診のタイミング
かぜの予防法と 医療機関を受診した方がよいタイミング について説明します <予防法> @手洗い 手洗いは 最も効果的な予防法とされています *家に帰ったら 石鹸 流水で汚れを落とすようにする *モノを触る前 触ったあと 食事をする前に 速乾性アルコールで手指消毒をする こうしたことを 特に冬の間は習慣にしてください 最近は飲食店などで 速乾性アルコールが置いてあるところもあります 当院でも受付に 速乾性アルコールがありますので 来院された際 お帰りになる際に 手指消毒されることをお勧めします 手洗い方法のポイントは *流水と石鹸で 約15~30秒かけて洗う *指の間 親指の根元 爪などを 特に注意して洗う 速乾性アルコールによる手指消毒も 同様に行います 洗い残しが起きやすいのは こうした部位ですので 特に注意して洗ってください 「あわあわ手洗いのうた」の動画を見ると参考になります このうたを見ると 医学生のときの外科実習で 手術室の手洗い場で 手洗いを習ったことを思いだします あの頃は こんな解りやすいのは なかったな(笑) @うがい 手洗いと同様に よく推奨されますが 最近は 手洗いほどの効果は認められないとする説もあります また うがいをするにしても わざわざヨードやイソジンでする必要はなく 水で充分とされています @マスク かぜをひかれている方が 自分のくしゃみや咳で ウイルスをまわりにまき散らさないことが大切です また 人ごみの多いところ 満員電車などでは 予防的にマスクを着用することで ウイルスの侵入を防ぐことができます ちょっと脱線して恐縮ですが マスクをしている女性は とても美人に見えることがあります 目力が強調されるからでしょうか? そして マスクをとると えっ? ということもあります(苦笑) @手で顔を触らないようにする かぜは 手に付いたウイルスが その手で目 鼻 口などを触ることによって 感染します ドアノブ 電話などに付着したウイルスが 数時間も生存することが 報告されていますから 外出先などで 知らぬ間に手にウイルスが付着していることも あり得ます ですから 外出時に 手で 口 鼻 目を なるべく触らないことが必要です @日常生活での対策 *生活環境を暖かく保つ *早く休んで 温かい食べ物をとり 栄養補給する *水分を充分にとる *睡眠を充分にとる *室内の加湿・加温を心掛ける といった注意が必要です かぜを根治させるのは 本人の免疫力と体力ですから 充分に栄養と水分を摂って 暖かくして よく休む のが基本です また ストレスはかぜのリスクになりますから 上手くストレスと付き合うことや 習慣的な運動は かぜのリスクを減らしますから 適度に運動することも かぜの予防には大切です <医療機関を受診した方が良いタイミング> かぜは 自宅でよく休んで 栄養や水分を充分に補給していれば 自然に1週間程度で改善する病気ですが 早目に医療機関を受診して治療を受けた方が 良い状態もあります @症状では *39℃以上の発熱があり 悪寒戦慄があるとき *鼻汁が 黄色や緑の混濁したものになってきたとき *咽頭痛が激しく 喉が腫れているとき *咳が激しいとき *咳をすると胸が痛む 呼吸が苦しい 血痰がでるとき @患者さんの背景としては *65歳以上の高齢者 *慢性呼吸器疾患 心疾患 糖尿病がある人 *妊婦 @症状の時間的経過としては *1週間前後で治癒しない場合 *いちど治りかけたのに また悪化する場合 こうした場合は ウイルスによる最初の症状の改善後に 二次性の細菌感染が起きている可能性がありますから 早目に医療機関を受診してください <いちど受診したあとでも 再受診した方が良いとき> かぜの症状が完全に出そろうには 2~3日かかることが多いので 症状が出てからすぐに受診した場合は かぜの症状が出揃っていないことがあります ですから いちど医療機関を受診して治療を開始した後に *症状が変化してきた場合 *治療により一旦症状が改善したあとに 再度悪化する場合 *治療中にもかかわらず 38℃以上の熱が出現する場合 などは 治療方針を修正する必要がありますから 再度 医療機関を受診することをお勧めします 医療機関を受診される際には *最初はどんな症状があって *それが どのように変化していって *現在いちばんつらいことは何か を 具体的に話されると 医者も判断がしやすいです また 高い熱が出たことがあるかどうかも 併せてお話しいただけると さらに診断の手助けになりますから 宜しくお願いします
高橋医院