ニコチン依存症
健康に害があると わかっていながら タバコがやめられないのは ニコチン依存症 だからです 本数をだんだん減らす方法では ニコチン依存症は克服できないので きっぱりと止めることが大切です ニコチンは 口腔内粘膜や皮膚からも吸収される 極めて吸収の良い物質で 煙を吸い込んで数秒以内に 脳血管関門を通過して 脳細胞に達します 喫煙で摂取される量のニコチンには 脈拍を増やし 血圧をあげる作用があります <ニコチン依存> 定期的にニコチン摂取を繰り返すと ある時期以降には 脳細胞はニコチンを吸収しないと 以前と同レベルの活動を維持できなくなります これが ニコチン中毒 ニコチン依存 と呼ばれている状態です @依存症になるわけ ニコチンは吸収が速く 体内から消失するのも速いので 常習喫煙者は 喫煙後30分程度で 体内のニコチンが半分に減ってしまい またタバコに火をつけたくなります このようにして より多くのニコチンを体が求めるようになり 次第に喫煙本数が増えるのです 体がニコチンを求めるようになるのは ニコチンが 脳内の報酬系を刺激するからです ニコチンにより ドパミンなどの脳内神経伝達物質の分泌が増加して 気持ちよくさせるのです 成人では 喫煙を始めてから5~10年で こうした状況が形成され 喫煙者はほぼ毎日喫煙するようになります 喫煙者の約55%が 依存症と考えられています 未成年は 大人よりも速い時期にニコチン依存が 形成される場合が多いので 要注意です <ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)> ご自分がニコチン依存かどうか 以下の質問に答えてみてください 問1 自分が吸うつもりよりも ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか 問2 禁煙や本数を減らそうと試みて きなかったことがありましたか 問3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに タバコがほしくてたまらなくなることがありましたか 問4 禁煙したり本数を減らしたときに 次のどれかがありましたか イライラ 神経質 落ちつかない 集中しにくい ゆううつ 頭痛 眠気 胃のむかつき 脈が遅い 手のふるえ 食欲または体重増加 問5 問4でうかがった症状を消すために またタバコを吸い始めることがありましたか 問6 重い病気にかかったときに タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか 問7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても 吸うことがありましたか 問8 タバコのために自分に精神的問題が起きているとわかっていても 吸うことがありましたか 問9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか 問10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが 何度かありましたか 5つ以上 Yesだと ニコチン依存症です もう少し簡便なテストもあります @ファーガストロームニコチン依存度テスト 問1 朝目が覚めてから何分位で最初のタバコを吸いますか *61分以後 0点 *31~60分 1点 *6~30分 2点 *5分以内 3点 問2 禁煙の場所でタバコを我慢するのが難しいですか *いいえ 0点 *はい 1点 問3 あなたは一日の中でどの時間帯のタバコをやめるのに最も未練が残りますか *目覚めの1本 1点 *それ以外 0点 問4 一日何本吸いますか *10本以下 0点 *11~20本 1点 *21~30本 2点 *31本以上 3点 問5 目覚めて2~3時間と その後の時間帯とどちらが頻繁にタバコを吸いますか *その後の時間帯 0点 *目覚めて2~3時間 1点 問6 病気でほとんど寝ているときでもタバコを吸いますか *いいえ 0点 *はい 1点 ニコチン依存度は 合計点数で判断し 0~2点:たいへん低い 3~4点:低い 5点:ふつう 6~7点:高い 8~10点:たいへん高い となります ニコチン依存の方は 朝起きてすぐにタバコを吸いたくなって しまうようですね <ニコチン離脱症状> ニコチン使用の突然の中止 または減量したあとに 出現してくる徴候で *タバコを熱望すること *倦怠感虚脱感 *不安 *不快気分 *易刺激性 落ち着きのなさ *不眠 *食欲亢進 *口腔内の潰瘍形成 *集中困難 これらのうち2 項目があると 離脱症状があると判定されます 読み手の皆さん 大丈夫ですか?
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