どうして動脈硬化が起こるか?
動脈硬化が生じるメカニズムについては 以前にも説明しましたが 改めて解説しようと思います <血管内皮細胞障害と内膜での初期プラーク形成> 正常な状態では 血管内皮細胞が 血管機能の恒常性を維持するために 重要な役割を担っています しかし 何らかの原因で 内皮細胞に機能障害や傷害が起こると さまざまな連続した反応が起こってきます まず接着因子という 白血球が内皮細胞にくっつきやすい分子が出現します ついでケモカインという 白血球の遊走・接着を誘導する物質が産生され さらに 内皮細胞から血管壁内に物が浸透しやすくなる 透過性の亢進が起こり これらの連続した反応により 炎症細胞が集まってきて 血管壁の内部に浸潤してきます また 血小板という血を固まらせる細胞が 凝集して血栓を形成し内皮細胞に付着すると 血小板由来増殖因子(PDGF)が産生され その結果 平滑筋細胞の遊走・増殖が起こり 内膜に初期プラークが形成されます プラークがさらに大きくなって破れると そこに血小板などが集まってきて再び血栓ができ この血栓によって血管がつまってしまうのです <プラークの形成・進展に関与する因子> プラークが大きくなるには 下記の要因が相互かつ複雑に関与します *内皮細胞の機能障害 傷害 *血管平滑筋の遊走・増殖 *マクロファージの集積・泡沫化 *細胞外基質の産生と分解 *脂質の蓄積 *プラーク内の血管新生 *石灰沈着 なかでも重要なのが コレステロールの関与です
高橋医院