山口真由さんが書かれた 
「リベラルという病」
について語ってきましたが

たまたまこの本を読んでいた頃に
BSフジで毎晩8時から放送している
プライムニュースで(書き手が良く見ていた番組です)

アメリカの白人至上主義を
テーマに取り上げていました

そこで
コメンテーターの衆議院議員の辻清人さんが
リベラルとコンサバの考え方の違いを
アメリカの建国精神でもある「自由と平等」にかこつけて
面白く説明していました

リベラルは 
個人の自由より 全体の平等を大切に考える

コンサバは 
個人の自由を より大切なものと考える


でも リベラルは 上から目線

リベラルは上から目線であることを揶揄するイラスト

平等が何より大切だと唱えるけれど

有色人種や貧しい人を
可哀そうだから助けてあげるという発想で
心の底では彼等を子供扱いしている


一方 コンサバは
平等より自由を大切にしているけれど

どんな人種に対しても
全人格的に対等に対処する姿勢がある
と自負しているそうで

コンサバに言わせると
リベラルの方がむしろ人種差別的で

社会的な条件面で
有色人種に白人に追いついてもらうまでは
機会平等でなく結果平等な社会システムでもいとわない
というリベラルの考え方は

黒人なら学力関係なしで
一定数は大学に入学できるような
アファーマティブ・アクションといったシステムを作りだし

かえってそれが
黒人の自助努力を怠りやすい体質を招いている
と批判しているそうです

リベラルの欺瞞性を訴えるイラスト


山口さんが指摘されていた
リベラル信仰の鼻持ちならないエリート主義の話を
思いだします


ちなみにこの番組には
なんと山口さんご自身も
コメンテーターとして出演されていて

辻さんが語られるコメントを聞きながら
身を乗り出すようにして
うんうんと体全体で頷かれていたのが
オジサン目線からすると微笑ましかったです(苦笑)

コメンテーターとして登場する山口さん

さて 山口さんの本では
アメリカの今の姿について言及されます

現在のアメリカは
建前と本音のあまりの開きにきしんでいて
リベラル信仰がいきわたる国に
おそろしいほどの差別主義が内在する現状

その落差に耐えられない人たちが
トランプを選んだのではないかと指摘されます

リベラルへの批判票を得て喜ぶトランプ

エスタブリッシュメントの啓蒙思想に対する反発が
トランプ支持現象の源泉であり

アメリカ建国以来のエリート嫌悪

アメリカ精神の中核に根付く
徹底的な反エリート主義

イギリスのエリートによる支配と戦って
独立を勝ち得た国の反骨主義が
その背景に存在しているのではないかと

反エリート主義を掲げるバッジ


だとすると
病めるアメリカのリベラルが
どのようにして今後のアメリカの状況を
変えていくことができるのか?

とても興味深い問いかけです


最後に
日本人とリベラル・コンサバの関係についても
言及されます

日本は
リベラルと肌が合わない コンサバに馴染む
というのです

現実的に 日本の歴代政権は
共和党政権とは仲良しで
民主党政権とはしっくりこずに隙間風が吹く
アメリカ民主党は 正義を振りかざして話を聞かない
という評価があるそうです

確かに安倍さんとオバマさんは 
どこか他人行儀でしたね(笑)

日本人には
長い歴史で育まれた人知を超えたものへの畏怖
自然への謙譲が根付いているので

アメリカのリベラリズムは
歴史の短い国の独善と傲慢に映るのではないか?

との分析ですが

八百万の神を信ずる日本人は
一神教のキリスト教にすら馴染めないのに

理性はその一神教すらも凌駕できる考える
アメリカのリベラルには
確かにシンパシーが持てないかもしれません(笑)

八百万の紙を信じる日本人

一方で 日本人の精神には
アメリカの”病んだ”リベラルとは異なる
健全なリベラル的なものが
宿っているようにも思います

助けあい精神とか 
でも 過去形かな?(苦笑)

高橋医院