これまで紹介してきたように
国が経産省主導で
生活習慣病予防政策を
進めていこうとしている理由として

予防医療で医療・介護費を削減できる
と主張することにより
今後の超高齢化社会を支えるための
財源確保から
国民の目をそらさせることを
期待している

予防医療を通じた
「社会保障の産業化」により
公的保険外の保健サービスへの
企業参入を促進して
新たなマーケットを作り出して
経産省の省益を拡大する

といった指摘がなされています

なるほど 納得ですね(笑)


経産省が主導して生活習慣病予防政策を進めているのを説明する図

増税しないと
社会保障の財源確保はできないのだから
小手先を弄してごまかそうとするのは
やめた方が良い気がします

それと過度にビジネス性が増すのは 
どうなのかな?

欲に目がくらんで
こざかしいことが起こりかねないとも
危惧してしまいます


ということで

今回紹介した記事を読んだおかげで
国が生活習慣病予防政策を
ビジネスとしての側面も大いに考慮しつつ
推進しようとしていることを
知ることができました

ビジネスとしての側面も強調された生活習慣病予防政策のプラン図

日々の日常診療のなかでは
往々にして
医療行政がどのような視点や目論見で
決定されているのか
見えなくなりがちです

良い勉強になりました



そもそも
「生活習慣病になるのは自己責任か?」
という問いかけそのものが
センセーショナルな問いかもしれません

自己責任と言われて驚いている人の姿

患者さんからしてみれば
「自己責任」などという言葉を使われて
ビックリするし 憤るし 
という気持ちになられることでしょう

うーん 
ただ こと生活習慣病に関しては
そうした側面もあることは
否定できないと思うのですよ

多くの患者さんに
生活習慣を改善していただきたい

そのためのアドバイスは
十二分にしますから
頑張って欲しい

そう思います


一方で 
記者さんと医療経済の専門家が共通して
現在 推し進められようとしている政策が
生活習慣病などの患者の
差別・排除につながる危険性
指摘されていたのが印象に残りました

生活習慣病などの患者の差別・排除につながる危険性を示す図

予防医療に
過度にインセンティブが入ったり
ビジネス性が前面に出てくると
煩わしいことになるようにも思います

インセンティブは有効かもしれませんが
欲望が関わってくると
良いことはあまりない気がする?(苦笑)

欲に眼がくらんで
極端に走ってしまうリスクもありますから
そこから差別的な発想も生まれかねない

気をつけなければいけない点だと思います

社会全体の中で医療を考えていくのは
大切だけれど難しいですね

生活習慣病予防に
インセンティブやビジネスが絡んでくるなんて
あまり考えたことがありませんでしたが
それが社会の現実なのでしょう

でも 
そのために
「自己責任論」を利用(?)するのは
そんなことをよく思いつくものだと
感心しますが(笑)
ちょっと胡散臭い気がしないでもない

どうなのでしょう?

いずれにせよ
この特集記事を読ませていただいて
良い勉強の機会を得ることができました
高橋医院