日々の生活のなかのエレガンス
脚本家の大石静さんが フランスのエレガンスを訪ねる旅 番組の後半では ショーメの工房を出て パリの街にエレガンスを求めます @マルシェの魚屋のおしゃれな店主 ちょい悪オヤジ風のリュックさんは マルシェに出ているときの 自分の服装にこだわります 自分自身も 魚と同じように輝いて見えないとダメ マルシェで働いていても いでたちは清潔でエレガントであるべき と考えていて パンツと靴の色の コーディネートにもこだわります もちろん お店での魚のディスプレイの仕方にも こだわりを持つ 泳いでいるように魚を並べ 見栄えよくなるように ディスプレイの色の組合せを重視する ひとつの世界を生み出すイメージ だそうです そんなリュックさんにとって エレガンスとは 「自らの仕事に誇りを持ち 自分を尊敬し 同時に 客を尊敬して大切にもてなすること」 売ればいいだけではダメ だそうです(笑) @香水屋さん ナポレオンの香水を調合していた 1862年創業の老舗ロジェ・ガレ ナポレオンは ストレスへの対応 気分を高揚させるために 月に60本の香水を使用していたそうです フランス流の香水のかけ方は 頭の上に吹き上げて 降りてくる香りを 頭から上半身にかけて纏う 日本では 膝や耳たぶなどの体温の高いところに 少しつけるのがお作法のようですが 本場の使い方は大胆ですねぇ! どんどん香水を消費してしまうと 大石さんは心配されていました きれいな店員さんが語るには 香水はパリジェンヌにとって 自分を美しく演出する仕上げで フランス的エレガンスの極意 香りはその人の個性 アイデンティティでもあるので しっかりと自分を理解していないと 自分の香りを纏えない うーん いかにも自我を尊重する フランスっぽいですね! @花屋さん モンパルナスの花屋の店主 ジョルジュ・フランソワさん フランス人は大の花好きで 花を芸術のひとつとして 日常生活で大切にして その儚さを尊ぶそうです そして 得意のブーケを作りながら 野に咲く花のようなブーケ その素朴さこそが 暮らしの中のエレガンス 画一的に作り込まれたブーケは エレガントではない 人工的に作り込まないことが大切なのだ 大量生産され長期間冷所保存された花は どれも同じように見えて 香りがなくて硬直している 形や大きさがさまざまで 柔らかくしなやかな花こそが 自然で香りも楽しめる 命ある花なのだ と語ります ショーメのティアラでも 語られましたが 自然でシンプルなものに エレガンスを求める感覚が 強いようですね それは なんとなくうなずける感じがします @ファッションデザイナー・島田順子さん 番組の最後に大石さんは 週末に過ごすパリ郊外の家に 島田さんを訪ねます フランスでの生活が長い島田さんは フランスでは エレガンスという言葉は 日常生活のさまざまな場面で 普通に使われるもので 必ずしも優雅さや洗練さを 表すものではない として エレガンスが意味することは 他人に寛容であること 人の悪口を言わないモラル 人間は完璧ではないので 許し合えるという感覚 自分と異なる相手を許せること と語ります なるほど そうなのですね 番組の最後に 大石さんがまとめられます 日本ではエレガンスに 「上品 優雅 穏やかさ」 といったイメージがあるけれど フランス パリでは *穏やかに しかし強く 自分に自負を持ち 他者に敬意を払うこと *完璧ではないものを そのまま愛おしむ余裕 *弱い自分を受入れ 異なる相手を許す寛容さ といったニュアンスで使われ パリジェンヌのエレガンスは力強い 自信 他者への敬意 寛容 いずれも 言うは易し ではありますが 確かに大切なことだと思います 個人的には シンプル ナチュラル といったニュアンスのエレガンスにも 惹かれるものがありました エレガンス でも 難しそうだな(苦笑)
高橋医院